私ベムが「クロスメディア」というワードを始めて耳にしたのは、米国のインターネット広告協議会(IAB)(現在はインタラクティブ広告協議会)が2000年から始めたXMOS(クロスメディア・オプティマイゼーション・スタディ)の時である。(既に90年代からアメリカでは使われえていたワードだ。)
これは基本的に「マスキャンペーンにネット広告をどの程度配分すると、目標とするマーケティング指標を最適化できるか」というコスト配分の最適化というもので、この調査で得たデータは、ブランドのベンチマークとして活用が可能だ。
しかし現在日本で「クロスメディア」と呼ばれているものなかには、最初からメディア(器)ありきのプランがずいぶんある。最初から商品パッケージのようになっていて、適正配分という概念もない。これらは「クロスメディア」ではなく、メディアの「抱き合わせ販売」ではないかと思う。
広告主のメッセージ(コンテンツ)を最も効果的にユーザーに届ける最適なメディアの組み合わせをデザインするのが本来の「クロスメディア」。メディアありきではなく、コンテンツありきなのである。
メディアが持っているコンテンツを商品化して広告主に売るスタンスをしっかり取ったとき、「クロスメディア」は多少とも意味をもつ。そういうプロデューサーを媒体社も育成しないといけない。
0コメント