広告業の将来 その3


このエントリーにはかなりの反響があった。
私が言いたいことは、広告業の真ん中にいる人たちには、まだ本当の危機感が足りないということである。経営環境は急速に変わっている。これだけ変化が顕在化した状況でなお、まだ反応できないとしたら、問題は深刻だ。
対応可能な時間はそんなにない。体力があるからゆっくりで良いというものでもない。体力があるということは逆に図体がでかくてなかなか変われないということでもある。

そもそも一般論として広告業の一人当たりの営業利益は他業種より低い。にもかかわらず、相対的な賃金は高い。それは事業を維持するための外的リスクが比較的少なかったからだろう。他の業界は、成長のために(生き残りのために)開発や投資コストがかかる。競争優位を維持獲得するために必死に生き残り策を模索してきたと思う。そのために様々な痛みを伴う改革を実行してきている。おそらく「そんなことは言うだけで実際にはできない」と社内で揶揄する人もたくさんあるなか、実行してきた経営者も社員もいる。
それをメディア業界、広告業界だけできないとしたら、業界が衰退するか、別の文化をもったプレイヤーに侵食されるだろう。

期待と希望を込めてだが、私は広告業にいる人たちを信じている。
ひとりひとりが「自ら変わる」ことの意識をもち実行する時が来ている。