「トリプルメディアの役割と消費者態度変容モデル」


 AISASモデルや、パーチェスファネルの考え方をもとに、「3つのメディアをどう機能させるのか」を考えてみると良いと思う。例えば、AISASのAにはP、O、Eのどのメディアを主に機能させていくか・・・という発想だ。
 おそらく、商品カテゴリーやブランドごとに違ってくるはずで、企業が持ってるブランドごとに、または今後開発したいブランドでの、3つのメディアの機能のさせ方を考えて、ブランドの集合としての企業トータルでは、どんなリソースを構築することが最も効果的かつ効率的かを考えるのが、企業単位での「トリプルメディア戦略」といえる。
 「ブランド認知」をソーシャルメディアの機能として託すやり方もある訳で、必ずしも、AISASの2つのSだけがソーシャルメディアの役割とは限らないし、認知だからペイド広告だと決め付ける必要もない。

 大企業で、長年コストをかけて、コミュニケーション資産を蓄えてきたブランドは、ただでさえ既に認知され関心の対象になりやすいのだから、ソーシャルメディアでの話題の対象になりやすい。コミュニケーション資産の大きいブランドこそ、ソーシャルメディアを活用しないと「もったいない」とも云える。ただ、それは何かソーシャルメディアに発信するというこばかりではなく、「ひたすら聴く」ということもソーシャルメディアを活用したマーケティングである。「聴く」ために「ちょっとした静かな投げかけ」をして、「聴き取る」ことも手法だろう。この辺は今後もっと鍛えられていくであろうスキルだ。

 ひとつ大切なのは、3つのメディアはマーケティングの時間軸が違うことだ。自社メディアや、ソーシャルメディアは、従来の広告キャンペーンより中長期で育てる必要があって、もしかすると単年度予算管理では難しいマーケティングメディアだ。3つを連携させるには、そのぞれの扱い方の違いをしっかり認識することだろう。