メディアはどうして1票の格差を論じないのか。


今回の参議院選挙でも、また1票の格差は拡がった。「民主党惨敗」とメディアは報じるが、実際には「1人区で惨敗」で、議席数と得票数は比例しない。
 最大5倍に拡がったこの格差は、到底容認できるものではない。しかしこれについてメディアはほとんど報じようとしない。
 たしかに都市部と地方の格差は問題である。しかし、1票の価値でその格差を埋めようというのはあり得ない。
普通の感覚では、格差は2倍以上あってはいけない。5倍なんていうのはとんでもないことで、これを放置する日本には本質的に民主主義が根付いているとは思えない。特にメディアがこれを報じないのは、根本的に地方の議員数偏重を容認したいのではないかと疑いたくなる。
政界にも議員数削減が議論されることが多くなったが、(これこそポピュリズムの極み)それが1票の格差を是正するためだという意見を聞いたことがない。
 都市部の投票率が低い原因のひとつには、自分たちの1票の価値が低いことにも起因しているようにも思う。
 選挙が終わったあとの「総括」として、このタイミングで1票の価値について検証しないのでは、ずっと改善されない。ここは、裁判所は思い切って、「無効」の判決を出して、まじめに是正させることを促す必要があるのではないか。