「格差社会」というワードが出来て久しいが、雇用問題やワーキングプアを問題視するマスコミは多いが、前回の参議院選挙を例に出すまでもなく、今までも放置されてきた「1票の格差」は、本当にこの国は民主主義なのかという根本問題であるにもかかわらず、なぜかメディアはこの話には鈍い。「各地に弁護士らによる原告団ができました。」程度の報道しかなく、問題意識があるとは到底云えない。
もし、今から戦前にあったように、納税額に応じた選挙権などいう話がでてきたら、どうだろうか。マスコミも含め大反対の大合唱になるはずだ。私も当然賛成ではない。例えば、納税額に応じてあなたは1票だけど、あなたは3票分ですね・・何てことがおきたら、貧富の格差の上にそれをもっと助長すると言って、もちろん大反対でしょう?
でも、地域によって、あなたは1票分ですが、あなたは5票分ですよ・・・ということがまかり通っている。これは基本的人権にまで話が及んでもおかしくないのではないだろうか。普通の感覚では格差が2倍以上あってはいけないだろう。
しかし、どこか暗黙の了解として、地方は恵まれていないのだから・・みたいなところがありはしないか。「それとこれは全く別の話だ。」そんな感覚があって、是正しようとしないのはもってのほかだ。原理原則を大事にしない「日本人的見識のなさ」の代表のような話である。
今、国会は違憲判決が出るような1票の格差で成立した参議院の勢力図で衆参がねじれている。こうした現象で起こる政局は、「こんなエネルギーがあるなら政策実施に少しでも持っていけよ」と思うことばかりである。
地方政治でも首長と議会の2元代表制に疑問が投げかけられている。発展途上国も含め各国が台頭し、スピーディな政策実施が求められる中、あきらかに民主的プロセスが結果に劣後している日本が、実はもっとも大事な民主的プロセスである選挙の1票の価値の問題をほったらかしているこの矛盾たるや、全く・・・と思いませんか。
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