「手売り」が急速にDSPに移行する理由


 直前のエントリーで、DSPの登場で、ネット広告のいわゆる「手売り」が、その価値を失っていくと書いた。私はこれから3~4年で金額ベースで逆転すると思っている。というのも日本独特の状況があるからだ。
 そう書けば、この世界の人は大概ピンとくると思うが・・・。そう。日本に第三者配信サーバーが未だに(そしてほとんど)定着していないからだ。各媒体の広告メニュー単位でのメディアプランであっても、オーバーラップするユニークブラウザをカウントしたり、ポストインプレッション測定が出来たり、(それによってクリエイティブの最適化思考が促進されたり)したはずなのに・・・。広告メニュー単位の「手売り」でも、第三者配信の活用が定着していれば、現状よりはるかに最適化のクオリティが高く、まだまだ「手売り」が頑張ったと思われる。しかし今から出来ても遅すぎだろう。逆にバイイングサイドサーバーを拒んできたが故に、広告主が広告メニュー単位の「手売り」よりDSPに画期的な意味と価値を見出すだろう。それが故に急速にDSPによるバイイングにシフトすると思われる。
 
 そして広告主側も、大きなチャンスと同時に、競合企業に先んじられるリスクも十分考えておかないといけない。
当然自社メディアのマーケティングROI測定装置化がすすむなかで、最適な広告配信ということになる。自社のwebサイト内と、その外の広告が配信されるインターネット空間を切り分けて考えるのはナンセンスである。ネットユーザーにはすべてがシームレスな空間だ。DSPの利点を活用できる広告主企業とは、そういう発想ができる(そういう組織の構造改革を含む)ところが先を行き、ライバルに差をつける。

 こういうところのコンサルティングがきっと私のミッションであるように最近特に思えてきた。別な視点では、これは広告会社の経営コンサルとも云えるけど。