デバイスの拡がりとクッキー


アドテックではもっと議論したいことがたくさんあったが、時間がなくて残念であった。会場からの質問に、デバイスが拡散するとクッキーもどんどん複数になり、特定できなくなるのでは?というものがあって、セッションの時は私自身の考えを披瀝できなかったので、ここで書きます。

少し昔はユニークユーザーと呼んでいたクッキー数も、今ではユニークブラウザというようになった。それは全部数えるときっと人口より多くなるだろうし・・・。

しかし、昔「究極のターゲティング」にも書いたが、クッキーが複数になったとしても、そこからひとりの個人を突き止める必要はほとんどない。むしろデバイス別にクッキー、PCでも用途別にクッキーが違うほうがいいのだ。個人情報をとってマーケティングするのはとにかくハードルが高い。コストがかかる。それよりもブラウザごとに違う行動様式をベースにターゲティングしたほうが良いのだ。

ひとりの人間にはいろんな側面がある。だから違うユーザーとして捉えることは間違いではない。

これを「ブラウザベースマーケティング」と呼んだが、全然流行らなかった(汗)・・・。

いずれにしても、4スクリーン時代、スマホがガラケーと違って、クッキーでIDをふれるようになったことで改めて、ブラウザベースにマーケティングするチャンスは増えた。

しかもスマホはフィーチャーフォンに比べて圧倒的に、プッシュ型メディアで遭遇した情報に対して、より深く調べる行動を誘発している。(今使っているユーザーがそうした行動をするとも言えるが、それだけではなかろう。)
プッシュからプルへの連携力の拡大と、オーディエンスターゲティングという考え方が現実的に実践可能になったことで、面白くなりつつある。