ブランドが自身で拡張のロジックをつくることが、プルの接点とプッシュの接点をつなぐことに繋がる


 プライベートDMPの導入コンサルを依頼される機会が非常に多くなっている。
企業がDMPを導入するなかで、トライすべきことのひとつが、自社でブランドごとのリターゲティング拡張のロジックをつくることだ。
 DSP事業者のブラックボックスの拡張ロジックを試して、DSPプライヤーを評価してもあまり意味はない。自社ブランドに一定以上の関心を寄せたユーザーに「似た」人とは(どう似ていることが、ブランドに反応する要素なのか)を突き止める必要がある。

 これはつまり、プルを獲得した人を分析して、プッシュをターゲティングするマーケティング技術である。

 ベムはおそらく日本で初めてのリタゲ拡張の実験を行ったことがあるが、拡張ロジックがブラックボックス状態では全く意味がなく、CPAさえ改善されれば良いというネットに閉じた施策になってしまう。認知してもらうべき対象をターゲットしてプッシュする作業にプルのデータを使うというこの施策は、まさにデジタルとマス/リアルを繋ぐものだ。

 Webマーケティングが本格的に始まってから十数年。マーケティングの大きな課題に「プルの接点とプッシュの接点をどう繋ぐか」ということがあったと思う。
 そのひとつの解答が、自社で自社ブランドの拡張ロジックをつくり、実際にパフォーマンスを検証する作業で得られると思う。これはプライベートDMPを導入する意味のひとつだ。



 この作業で得られる情報(インテリジェンス)は、すべてのマーケティング活動(マス、リアルを含む)の最適化に資するだろう。