エージェンシーの戦略的買収 その2


エージェンシーの戦略的買収のその2

しかしピュブリシスといい、WPPといい、本当に金を使う。

今度はWPPがTESCOの流通データビジネスをしているDunnhumbyを20億ポンド(約2370億円)で買収する準備をしているという。

http://www.thedrum.com/news/2015/01/06/wpp-reportedly-preparing-2bn-swoop-tesco-s-data-division-dunnhumby

TESCOは世界4位の巨大流通、ウォルマート、カルフール、コストコの次に大きい。このテスコで集計されるポイントカードなどのデータビジネスを行う会社として、1989年から独立事業化されていて、リテールチェーンのコンサル事業、消費者分析で有名だそうです。
P&G、コカ・コーラを始め、400以上のCPGブランドが利用する2000人規模で世界30カ国にサービス拠点がある。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20131209/256852/?P=3

テスコはWPPのクライアントで、Dunnhumbyはパートナーとしてカンターなどと組んでデータソリューションを提供していたが、WPPはこれを「買い取る」方向で動いているようだ。


それにしても巨額な買収。

前エントリーで書いたピュブリシスのサピエント級である。

WPPは先日もIBMの提供するプラットフォームに8億ポンド投資することを発表しており、次々にすごいこと。

ただ、もうエージェンシー同士の統合という水平型M&Aは、トレンドではなくなったということだろうか。

WPPも「データ供給サービス」を柱にするという意思表明と思える。

本来は独自のデータを持たないエージェンシーが必死でデータを取り込もうとしている。