デジタルマーケティングとは何か


ネットマーケティングとデジタルマーケティングは何が違うか

 答えは簡単。
ネットマーケティングはWebサイトやネット広告といったインターネット領域しか最適化しないが、デジタルマーケティングはマスもリアルも含めたマーケティング活動全体を最適化するということだ。

今はテレビだってデジタル放送、消費者が店頭を訪れるというようなリアル行動もポイントカードほかでデジタルデータに取り込める。

故に、マスコミュニケーションもリアルな販売時点を含む消費者接点もデジタルマーケティングの対象である。だから、「デジタルマーケティング」といいながら、テレビの話がないとか、O to Oとかオムニチャネルの話がないというのは「デジタルマーケティング」じゃない。

つまりデジタルじゃないマーケティングがなくなる前提で、過渡的にデジタルという形容詞をつけているのであって、もう5年もしないうちに当たり前なのでデジタルという形容詞がなくなるのが「デジタルマーケティング」である。

マーケティングのデジタル化を意識づけるためにデジタルと頭につけているだけなので、マーケティングに関わるすべての領域がデジタルマーケティングの対象とならないといけない。


さて、マスもリアルということでは、テレビこそ最後のマスメディア。唯一プッシュ力のあるメディアである。マスの本丸であるテレビもデジタルマーケティングの対象だ。もちろんTVCMだけでなく、番組内で提供される情報もトラックしないといけない。

その意味では、テレビメタデータとソーシャルメディアデータの相関性を見ておくのもデジタルマーケティングの重要な視点だ。テレビで話題になり、取り上げられるようになると、ソーシャルでもそれを受けてバズっていく、また逆にソーシャルでバズるとテレビが取り上げ、それがまたネットで話題になる・・・。というようないくつかのパターンがあり、ある特徴的なパターンを踏むとその後の話題拡大(商品が売れる)がある程度予測可能になってくる。

 テレビもCM到達と、番組のメタデータとソーシャル反応を追う。そこに検索量やサイトアクセス、そしてPOSデータと、POEを網羅して目的変数との相関を把握することでダッシュボードが成立する。
 これらを時系列、つまりリアルタイムで捕捉することで、状況に対応した「打ち手」を打つことができる。

 そもそも、従来のキャンペーンは予算化から始まっていて、予算化できると、その予算でできるキャンペーンがプランニングされ、そのプランが忠実に実行される。そして終わってから調査で効果検証とするということを未だに多くの日本企業はやっている。

 しかし、終わってから調査しても、もう終わっているのだから、もう何も手の打ちようがない。

 そうではなくて、常にリアルテイムのKPIを把握していて、キャンペーンによってKPIをどこまであげるかという目標設定をして、予算内で目標達成に向けて運用していくというのがこれからのキャンペーンである。



 リアルタイムで打ち手を最適化していくのであって、ある意味事前に最適なプランがある訳ではない。大枠の計画があっても1~2割は運用予算に当ててリアルタイムでKPIを把握しながら打ち手を打っていくための予算にしておくことだ。

 リアルタイムでKPIを把握するためにも、デジタルマーケティングデータを常に取得できる装置を用意していくべきなのである。

 そういう意味ではデジタルマーケティング基盤はPOEを網羅するマーケティングダッシュボードということになるんだろう。

 「マス・リアル・ネットをデジタルで繋ぐ」 これがデジタルマーケティングである。