最適な「拡張のロジック」はブランドごとに違う


DMPは潜在層から効果的なターゲットセグメントをつくるものである。CRM領域だけやるならリコメンドエンジンに毛が生えた奴で十分だ。なぜDMPを採用するかと言えば、顧客したユーザーから、顧客化する可能性の高いまだ潜在層をターゲティングするためである。

メーカーでECサイトでもリアルチャネルと同じ商品を売っているのなら、そこで顧客化したユーザーを分析・拡張して、まだ顕在化していないか、顕在化を把握できていないターゲットに適切なコミュニケーションが出来るようにするのがDMPの最大の目的と言っていい。おそらくリアルチャネルでの販売量がほとんどであろうから・・・。

 そこで重要なのは、今通常行われている汎用拡張ロジックは、あまり効果が出ないということだ。クルマにはクルマの拡張ロジックがあり、化粧品には化粧品の拡張ロジックがある。もっと言えばそのブランドごとに「反応者から同じ反応を起こそうとする人を特定していくロジック」は違うということだ。

 おそらく日本で初めて反応者の拡張配信実験をやったのは私だと思う。6年前の実験では、効果が出た商品カテゴリーとほとんど出なかったカテゴリーに分かれた。その時は「グラフ理論」を使った拡張で、そこがブラックボックスで原因を究明できなかったが、同じロジックでどんなカテゴリーも効果的な拡張ができるという訳にはいかないということは分かった。汎用ロジックでうまく拡張できるブランドの方が少ない。
 その後も研究しているが、拡張ロジック構築にはマーケター発想が必要だ。

 また、事業者が1stパーティデータだけで捉えている顧客や顕在化ユーザーから逆引きするだけでは、潜在層の中の見込み客をあぶり出すのは難しい。その意味でデジタル広告は「広告であり、ユーザー反応を観る調査でもある。」ソナーを海中に投じて、魚群を発見するように、新しいターゲットセグメントをマーケター発想で仮説立てして反応を試すことをもっとやるべきだろう。見えていないターゲットの発見の可能性がある。
 
 新たなターゲットセグメント創造や自身のブランドの拡張ロジック構築を出来るようになることがデジタルマーケティング時代のマーケターに求められるスキルになっていくかもしれない。