2012.10.27 18:49広告会社のマーケは企業のデータドリブンなマーケティングをサポートできるか 「広告会社の行く末」では、広告会社の営業マンをやり玉にあげてしまったが、次は広告会社のマーケである。昔はマーケティング対象商品を企業シーズから組み上げるのではなく、コミュニケーション開発の目線から商品ブランドのコンセプトワークをする広告会社のマーケの役割というのが注目された時期もあった。 直接、エンドユーザーとコミュニケーションしづらいメーカーからすると、メディアと、メディアを通して消費者を理解している代理店の提案にはそれなりの価値はあった。しかし今、商品ブランドのマーケティングに関しては、広告主企業側の優秀なマーケターに対抗できるわけもなく、さほど優秀でない代理店のマーケの多くは、企画書の代書屋さんになっている場合が多い。 営業の能力が比較的落ち...
2012.10.22 21:42広告会社の行く末 その4 次世代エージェンシーの業態を探索するマイクロソフトに買収され、その後またAgency部門は売られてしまったaQuantiveは,もともとは、アヴェニューAレイザーフィッシュというエージェンシーと、Atlasというテクノロジー会社とDrive performance という最初はアドネットワークの3社を統合した全く新しいマーケティングコミュニケーション会社の構成だった。MSに解体されてしまった格好になったのは残念だが、アドネットワークは、進化していわば広告配信先クッキーデータベースとも言えるので、エージェンシーとテクノロジー会社とDMPを統合するモデルで実に斬新だった。アドエージ誌によるとグロスインカムもADKより上位にあった。
2012.10.21 21:08広告会社の行く末 その3 「営業はいらない?」 その1、その2では、広告会社の営業のフロントラインに専門知見を取り戻し、全体がプロ集団化した専門性と機動力ある企業群に再編すべし・・と書いた。 しかし、この「営業という存在がいて、プランニングスタッフがいて、実行部隊が社内外にいて」という構成は、広告主ごとに「すり合わせ」して「人の手」によるサービスをするという従来のビジネスモデルに準拠した基本構成に過ぎない。 というのも、これはほとんどアドテクノロジーなどがない時代のモデルだからだ。テクノロジーがマーケティング活動のど真ん中に配置される時代が来ると、「人手」によるサービスが主役であった故に存在した「営業」という存在意味そのものが問われる。 まず、導入時の「すり合わせ」には、非常に高度なコンサル機能...
2012.10.17 19:52広告会社の行く末 その2 DAS(Diversified Agency Services)というワードが聞こえてきてから、もう6~7年経つのだろうか。Diversifiedとは「多様な」とか「多角的な」とかという意味で、いわゆるDAS領域での売上シェアが高くなるということが、WPPにしろ、オムニコムにしろ、メガエージェンシーグループが言っていたのを記憶している。で、そのDAS領域とは、CRM系とか戦略PR系、またはspecialty communication とか呼ばれるヘルスケアとかの専門分野だったりするのだが、こういう分野が昔はなかった訳ではない。しかし専門性の高いそれぞれの領域はより専門性に特化することで競争力をもつということになってきたため、改めてDASという概念が...
2012.10.15 00:08広告会社の行く末 その1 「時代が要請する新しいマーケティングコミュニケーションをどういうプロセスで開発するか」デジタルマーケティング時代に、旧態の広告会社が立ち至るテーマである。 そもそも広告媒体枠を買ってもらうために行ってきた「広告クリエイティブ」なので、広告会社にとっては広告媒体枠(特にテレビの扱い)販売に繋がらない「コミュニケーション開発」に注力する道理はあまりない。 ところが、時代は、広告(特にペイドメディア枠によるマーケティング活動)だけでは消費者主導のコミュニケ―ションに対応できない状況を生んでしまった。そうなると、15秒のCMや15段の新聞広告といった、決められた「広告フォーマット」の中をクリエイティブする作業(私はこれを「広告クリエイティブ」と呼んでいる。)...
2012.10.13 21:52 ~どうしてマス広告人だったベムがデジタルに足を踏み入れたか~「デジタルマーケティングとアドテクノロジー」というタイトルで先日翔泳社MarkeZineのカンファレンスで講演をした。よく思うのは、最近のこの「デジタルマーケティング」というワードなんだが、・・・ということはデジタルでないアナログなマーケティングがあるということなんだろうが、マーケティングにデジタルもアナログもないような気もするが・・・。代理店にいて、16年前に新会社を起案する時、社名にデジタルをつけた。扱うのがまさにデジタル広告だったからだ。その後、レップからエージェンシーサイドで新会社をつくる時は、インタラクティブを社名にした。その方が本質だと思ったからだ。インタラクティブとは、「インター・アクティブ」つまり「双方向性」ではなくて、「双作用性」のこ...