スポーツ観戦と感情移入



 大相撲が、一連の朝青龍騒動でまた話題になり、NHKの視聴率も上がっている。メディアがこぞって取り上げるから、当然皆に意識され、負けるのを見たい人がたくさんテレビ桟敷に戻ってきたようだ。相撲だけでなく、(相撲をスポーツというのには抵抗があるが・・・。)スポーツ全般の対戦は、一方に感情移入できるかどうかで、のめりこみ方が全く違う。今回はアンチ朝青龍という感情移入が、興奮を生む原動力だ。


 従来野球は国内だけの対戦だから、球団ファンというものを醸成しないといけなかった。スポーツに限らずエンターテイメントコンテンツは多様になり、巨人戦でさえ、全国区の地上波コンテンツと言いがたくなった。でもWBCやオリンピックの日本代表にはたいへんな注目が集まる。これは野球がどうとかいう以前に、健全なナショナリズムがその対戦にこぞって感情移入できるからで、従来ワールドカップサッカーでの日本代表の試合で何度も立証済みである。
 観る人が「どっちが勝ってもいい試合」は、どんなに素晴らしくレベルが高くても、価値のあるいいコンテンツにはならない。