スローフード


 1985年、イタリアのローマ市内スペイン広場に、マクドナルドが出店しようとした際、
これを阻止しようと、地元住民と左翼系団体が運動をおこした。これをきっかけにして、
「アルチゴーラ・スローフード協議会」なる組織ができ、今の「スローフード」思想ができた。


 もともと、イタリア左翼団体のアンチ・アメリカ運動が発端だったが、「スローフード宣言」
なるものがあって、一面過激なアメリカ文化排斥ではあるものの、非常にいいことも言って
いて、「スローフードな食卓からスローライフを」と提唱している。このなかで「味覚教育のすすめ」
を行なっていて、日本も見習う点が多い。

 食事が、青少年の精神発達に影響を及ぼすことは、メディアでも最近とみに取り上げられる
ようになった。

 外食でのファストフードのハンバーガーはいいが、家でもろくに料理をしないで、コンビニ弁当で
済ましてしまうとか、夕食に菓子パンと焼きそばと果物とかいうメニューが登場することも食卓調査を
するとよくあるそうだ。これは意識の問題で、所得の問題ではない。

 せっかく日本に生まれて、世界一食べ物がうまい国なのに、この価値が分からないことも
残念だが、食事はうまいという以前に、体や脳の発達にたいへん大きな影響を与える。
「キレる」子供たちの食事に問題があることは指摘されて久しいが、小泉さんの時にいわゆる
「食育」を提唱してから具体的にどういう政策が新たにとられているのかその後音沙汰がない。
 小学校の授業も訳の分からない総合学習なんてやっているくらいなら、家庭科なんて枠組み
ではなく、みんなで料理する時間を増やしたらいいと思う。