日本人のノリと拍子


 久しぶりにディープパープルを聴いた。ディープパープルとレッド・ツェッペリンは私の高校時代のロック少年の二大派閥、つまりパープル派かツェッペリン派に分かれていた。だいたいインテリはツェッペリン派だったと思う。
 パープルといえば、何といってもライブアルバム「ライブ・イン・ジャパン」が秀逸。欧米では「メイド・イン・ジャパン」というタイトルのこのアルバムを当時のパープル派少年たちは死ぬほど聴いていた。


 で、このアルバムの「メイド・イン・ジャパン」たる所以が、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」での観客の手拍子である。日本人は「○○音頭」の手拍子、つまりリズムのアタマの部分に手を叩いてしまう。しかも全員が一人残らずこの拍子に合わせるのが日本の文化だ。武道館の観客はまぎれもなく皆ディープパープルファンではあるが、悲しいかな○○音頭の日本人だった。

 黒人音楽の影響を受けたロック(もとはリズム&ブルース)だから、手拍子をするとすれば基本は拍子の裏にくる。また、全員が同じリズムを刻むのではなく、ひとりひとり別々の合いの手を組み合わせるのが彼の参加の仕方だ。

 観客皆が○○音頭ばりのアタマ手拍子の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」はまさに「メイド・イン・ジャパン」だった訳である。