マスメディアを活用してきたマスマーケティング企業が、Webマーケティングに本格参入してきた昨今、ネット広告メディアは「ある過渡期」を迎えたと思う。
アクイジションを目標とする企業には、顧客誘導力のある広告スペースを売っていればよかった。しかしWebのブランディング活用においては、ブランドサイトのコンテンツの充実の方に重点が移っている。コンテンツにしっかりコストを使って、余裕があればトラフィックを買おうかという程度になる。
ある程度ブランドサイトへのユーザーアクセスに実績のある大企業ほどこの傾向は強い。サイト訪問ユーザーこそ、見込み客であり、ロイヤルティの高い大切なユーザーとして重点的に密度の濃いコミュニケーションの必要があり、その分コストをかける意味はある。
そうなると、既存のネット広告枠を買う意味が薄れる。CGMをツールとした手法も、こうした考え方に拍車をかけている。
しかし、Webを主要メディアとするブランデッドコンテンツ展開にも、コンテンツプロバイダーとしてのWebメディアの力を利用すべきであるのは間違いない。逆にいうとWebメディアはスペースだけ売るのではなく、誘導力付きのコンテンツを広告主に売る努力が要る。これはWebメディアだけの話ではなく、「スペース提供」から「コンテンツ提供」への流れはあらゆるメディア、パブリッシャーに共通したテーマとなるだろう。
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