実際にジャパンパッシング


 ニューヨーク在住の会社の後輩に、「ベムさん知ってますか。こんなことになってるんですよ。」と云われて改めてびっくりしたが、アメリカのエアラインの大半がニューヨーク東京直行便を廃止している。ユナイテッドもノースウエストもデルタもだそうだ。
 これらはすべて北京直行便に替えられてしまった。関心のジャパンパッシングどころか、実際に航空便がパッシングして中国に行っている。


 特殊な国日本はもう「お呼びでない」ということだ。構造改革路線はことごとく逆行し、中途半端に揺り戻しが来て、折り返してしまった。日本の「長く緩慢な衰退」が始まったといわれるのも、やはり変わる気がないと思われているからだ。グローバリゼーションを「あれはアメリカンスタンダードだ」と云い、「格差は構造改革のせいだ」として、昔に戻ってしまった感がある。一度は徹底して体質を入れ替えてからの議論を、まだまだ端緒についてところでして、副作用がいやだと引き返してしまったのだ。本来の日本のポテンシャルをはるかに下回る国際評価は、人口減少のなかで一人あたりではクオリティライフをおくれるようにするためにしなければならない経済活動を阻害するだろう。

 この国の「出る杭」への攻撃は実に激しい。そして、そのほとんどは極めて感情的な(庶民を代表するとする)メディアの論調に負うことが多く、地検特捜部でさえ、こうした世論に動かされる。理屈で考えれば分かることなのに、将来子孫に大きなつけを残すことを考えないひどい国民になってしまった。痛みからずっと逃げつづけることで、絶対に逃げられない「長く緩慢な衰退」にはまってしまうのだろうか。