サンフランシスコを拠点とするインタラクティブエージェンシーの雄、AKQAは昨年ファンドに投資させて、他のインタラクティブエージェンシーがメガエージェンシーグループの傘下になるなか、独立を維持している。今年もエージェンシー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされているAKQAだが、アドエイジ誌の記事では、「AKQAがデジタルをルーツにしてフルサービスエージェンシーへ静かな転換を図っている。」と評価されている。
ブランドサイトのコンテンツ開発を中心に、Webによるインタラクティブ・ブランディング・コミュニケーションが得意だった印象のAKQAは、ファンドからの資金で、リスティングの会社を買収したり、トラディショナルエージェンシーからマスメディアプランナー人材を獲得して、トータルサービスができる体制を急速に整備している。
ブランディングコミュニケーションの開発スキルは、そう簡単には獲得できない。広告エージェンシーのカルチャーで育ったクリエーターの中からインタラクティブに対応できる少数が、テクノロジーを許容し、駆使できるようになることで、インタラクティブエージェンシーの中核スキルを確立した。そのうえで、ROIを計測しつつクリエイティブを含めたキャンペーン活動のパーフォーマンス(費用対効果)を問われる文化に飛び込んでいる。リスティングのシステムも取り込み、Webによるダイレクトマーケティングとブランディングコミュニケーションを融合している感がある。こうしたハイブリッドによる進化に新しい価値の創造がある。従前のスキルを再編することで、インタラクティブを起点にしてトータルエージェンシーの道を歩みだしたAKQAに学ぶところが多くある。
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