成長性の感覚とビジネスモデルの寿命


 ネットビジネスに対して世間は、とにかくたいへんな成長率を期待していて、ちょっとでも成長が鈍くなると、途端に行き詰まったという評価を与える傾向がある。
 
 「新しいビジネスモデルは往々にして、急成長を遂げるが、その分短命になる」と最近よくこう言われているのは、「IBMが30年続けた牙城を、マイクロソフトが壊して10年君臨した。それを壊すグーグルの寿命は3年?」みたいな議論だ。

 たしかにグーグルもたいへんな成長を続けているが(前年比51%増)、いくつかの懸念材料がない訳ではない。リスティング広告へのクリックが減っているのでは?というデータもあるし、インベントリーを考えると自社サイトの検索結果画面アドワーズより、ネットワークのアドセンスの売上が伸びないといけないが、前者の伸び率が上昇しているのに,後者の伸び率は下がっている。
 ただ、こうした現象を鬼の首を獲ったように「グーグルの限界」として論うのはどうか。
伸び率まで伸び続けることはありえないし、広告収入だけが事業モデルであることがリスクだと云ってしまうと、テレビの繁栄は何だったかということにもなる。またグーグル的ビジネス変革は、グーグルだけのものではなく、多くの新しいプレイヤーを呼び込むものだと思う。グーグルの価値はグーグルの時価総額だけでみるものでもないだろう。
 とにかく世の中は変わってきた。マイクロソフトを追い詰めたグーグルは、新しい価値を提供したことに間違いはない。

 いろんなツールやサービスをタダにしてきたグーグル。さて次は何をタダにするのだろうか。