レックス・ブリッグス氏の講演を聴く。


 IABが2000年から実施したXMOS(クロスメディアオプティマイゼーションスタディ)の中心人物でカリスマリサーチャーでもあるレックス・ブリッグス氏の講演を直接聴く機会をやっと得た。
 日本マーケティング協会が主催する「米国の最新手法と事例に学ぶ広告とクロスメディア効果の最適化」という長いタイトルのセミナーに行ってきた。

 XMOSのことを知った2003年くらいから彼の名とXMOSの手法と成果には非常に関心があった。当時ビデオリサーチの方と、日本版XMOSの可能性について相談してみたりもした経験がある。
 昨年、日経ビジネスに日本コカコーラでのメディアの効果検証を、レックスの手法で行なったことが掲載されたので、ご存知の方も多いだろう。


 XMOSの手法については、横山隆治著「インターネット広告革命」に結構詳しく解説されている。
 基本的に各メディアの広告の接触者と非接触者のそれぞれの広告認知、ブランド認知、購入意向、購買経験などの各レベルの指標を調査するもので、XMOSではこれらのデータから逆引きして、同じコストでの特定のマーケティング目標の最適化のためのベストなメディア配分をはじき出すものであった。



 オンライン広告に関しては、クッキーで広告接触者(ブラウザ)を特定して、そこにアンケートを求めるので正確に広告接触者と非接触者を特定できる。しかし、マス広告に関しては(英文の調査票を見ると)例えばテレビだと、「この番組を観ますか」という質問に「いつも観る」「ときどき観る」などの回答から接触度合いを推定していたりして、精度に欠けるような気がした。まあこれはXMOS初期の話で、現状はもっと精度がアップしているかもしれない。
 ただ、思うのは、欧米ではこういう全体のコンセプトがしっかりしていればOKであって、あまり重箱の隅をつつくような議論で、全体を評価しないということだ。
 日本の広告はもちろん細かくて丁寧でいいのだが、ともすると各論が上位になって、より大きな意義なりを否定してしまうところがある。
 
 今回は、レックスの「マーケティングROIをどうやって管理するか」という起業コンサルの部分の基本が良く分かった。
 
 また、別途ここでも解説できたらしてみたい。