トリケラトプスとヘクトパスカル


 2000年問題が取り沙汰されていたころ、誰かに「Y2K」ってどういう意味かと訊かれたことがあった。もちろん「Year2000」のことだが、2Kつまり2キロと云われると、日本人にはメートルかグラムしか思いつかないので、2000年を2K年と書かれてもすぐにはピンと来ないのも頷ける。
 昔から「キロキロとヘクトデカけたメートルがデシを捕らえてセンチミリミリ」という覚え方があって、私も亡くなった親父から教わった覚えがある。
 キロはもちろん1000倍を意味し、ヘクトは100倍、ヘクトアールで1アールの100倍の面積が1ヘクタール。あとは気圧のヘクトパスカル。デカつまり10倍が出てくる単位はあまりメジャーなものがないが、10種競技のことをデカスロンといいますね。英語でdecadeは10年。Dacaは10を表す。


 メートルが標準単位で、デシは1/10で、これはデシリットルとか、センチは1/100、これもセンチメートルくらいかな、ミリはたくさん使われている。

 天気予報で気圧の単位がミリバールだったことから、何でヘクトパスカルに変わったか分からないが、1ミリバールと1ヘクトパスカルは同じだから、1バールは10万パスカルだ。
 
 デカスロンが出てきたので、数を表すラテン語から出来ている競技名では、2種競技がバイアスロン、3種でトライアスロン、近代5種がペンタスロン、(ペンタは5、5角形はペンタゴン、ちなみに六角形はヘキサゴンだがCXの「クイズヘキサゴン」はもう六角形と何も関係ない内容になっているみたいだ。)女子競技の7種競技はヘプタスロン。
ついでに生物の学名になるとほとんどラテン語でできているので、トリケラトプスはトリ(3つの)ケラト(角の:Ceraはセラミックのセラ)プス(顔)の3つのラテン語で構成されている。
 英国ではもう現代では誰も話していないラテン語を学校で勉強するのも、ゲルマン語系の一部である英語に文化と意味をもったラテン語がたくさん溶け込んでいて、学問の基礎となるからだ。ちなみに現存する言葉で一番ラテン語に近いのはルーマニア語。ルーマニアとはローマニアということで、ローマ人の植民地で、ルーマニア人はローマ人の子孫。

 いまでも一番人気の恐竜がトリケラトプスなのは、あの何とも格好いい形(シェイプ)とこの語感の響きの楽しさのせいではないだろうか。