アドネットワーク、アドエクスチェンジ、アドマーケットプレイス


 日本ではなかなかスパークしないアドネットワークだが、プレミアムネットワークなどリーチを武器にするというより特徴をもったアドネットワーク志向で徐々に増えてきた。
特定のカテゴリーのコンテンツをもつWebメディアが連携するのが特徴だ。
 
 アドネットワークはそもそも、第三者配信サーバーを使って各メディアへの配信をしていた広告主に対して、その本来の目的である広告掲載面ではなく、オーディエンスを買ってもらうサービスとして確立したものと言える。

 またクリックを買う、アクイジションを買うモデルでは、売り手であるメディアと買い手の広告主をオンライン上で取引を成立させるアドエクスチェンジが成立した。
 アドエクスチェンジの運営者が、メディアからCPMで買って、広告主にはCPCで売るようなスタイルである。メディアからすると、ひとつのアドネットワークに在庫を全部預けてしまって、セルスルーや単価が低いというリスクを避けるために、複数のアドネットワークの中から、CPMの高い方の配信を受け入れる仕組みもできてきた。(ベムは勝手にこれを「オルタナティブなタグ」と呼んでいる。)

 そして、グーグルがラジオや新聞ほかで試したアドマーケットプレイスだが、やはりアナログメディアでは、ネットメディアのように効果をトラッキングできないことと、人間が介在するエージェンシーサービスを凌駕するまでの画期的な価値の創造ができなかったようだ。しかし本当の理由は、グーグルの企業文化かもしれない。つまりまだ始めたばかりのこの段階で撤退しちゃったことである。この種のサービス確立には、いろんなハードルがあるもので、こらえ性がないと実現できない。広告がサービス業だという本質において、粘り強い挑戦が必要だっただろう。つまり別の見方をすると、オンラインによる広告枠の取引は、別のプレイヤーによってまたチャレンジされるはずである。
 その際は、マス広告は従来の売り方と違う手法(課金モデル)で、またROIトラッキングが何らかの手法で可能になることなどの条件が必要だろう。
 
さらにアドマーケットプレイスにはクリエイティブ提供の仕組みが出てくるだろう。現在アフィリエイトは広告スペースの提供者にだけ、成功報酬が払われているが、クリエイティブのパフォーマンスに対しても対価を払うモデルも出てくるはずだ。既存の広告会社がやらなければ誰かがやるだけの話だ。
 広告のクリエイティブとは何もプロの広告会社の人間だけがつくるハイエンドなものばかりではなくなる。つくっただけではギャランティされないが、広告レスポンスがあれば、効果に応じた金額が支払われるモデルが実現するだろう。