2010年ネット広告業界予測  予測その1 解説


「リスティング広告の未消化率が上がり、それに対応してブランド関連ワードの検索を促すプッシュ広告の見直しが起こる。またリスティングをバックアップするリターゲティング広告が拡大する。」

 広告出稿がインマーケットの顧客対象にシフトしたことで、検索広告需要は比較的堅調に推移している。ただ、リスティング広告からの誘導のアクイジション単価が効率的とは言え、期待する絶対値を獲得できるかは別の問題である。そもそものネットユーザーの関心の絶対量は一定で、何かしらの刺激を与えないと拡大はしない。関心の絶対量の比較的少ないカテゴリーの商品やブランド力そのものの地力がない場合、「プル」に頼りすぎるとリスティング広告への出稿の予算化はしても、消化できないという現象が起こる。
 広告会社からすると、せっかく予算化してもらったものが売上にならないのは「もったいない」ので、このギャップを埋めるソリューションを提案しなければならない。
 もちろんプッシュ型広告でブランド固有のワードでの検索を促す手段もある。またリスティング広告のような出来高払いでのリターゲティング広告もありうる。従来、リターゲティングは、単価はそこそこだが、配信対象ブラウザが比較的少ないので、配信絶対量が確保できなかった。しかしアドネットワークの連携などにより、対象ブラウザの出現率が向上するリーチの大きい掲載面ネットワークの確保ができるようになるだろう。
 敷衍すると、企業サイトのクッキー利用も定着すると思われる。長期間ログを連続的にとって分析手法を確立しているところでクッキーをあえて使わない企業もあるが、しっかりアクセス解析ができていない会社は、Web解析ツールとクッキーの活用をしっかりすべきである。サイト内行動ターゲティングや、外部ネットワークへのリターゲティング配信は利用率が上がるだろう。