マスメディアの信頼性


今日のサンデープロジェクトは興味深かった。
 小沢幹事長が不起訴になったことに関して、メディア内でも見解が大きく違っている。従来こういうことはほとんどなかったことだ。テレビ朝日の姿勢は、当初から検察に対して比較的批判的で、保守的な新聞などのメディアは、テレビ朝日を批判するに至った。大新聞が「石川容疑者が小沢幹事長の関与を認めた」と書いた。それが本当なら不起訴にはならないし、今の時点では、それは本当のことではなかったようだ。
 メディアの問題は、ある政治的意図をもって、リーク記事を書いているかどうかは大問題でもあるが、それ以前に結局報道が真実だったかどうかである。本当のことでなかったことに対して、何の責任も問われないのはおかしい。メディアが結果的にでも事実と違うことを報道した場合に責任をもった態度を示さないと、どんどん従来のマスメディアに対する信頼は崩れるだろう。ネット上の情報、意見は氾濫しているが、従来その信頼性は基本高いものではなかった。しかし今回のマスメディアの報道は、自らこうした世の中の見方を変える材料となるかもしれない。マスメディアはネットのソーシャルメディアによる地殻変動にまだ気づいていないようだが、ネットにある見識は、一律ではないが、非常に高いものもあり、マスメディアのそれを超えるものもあるのだ。
しかし今回ほど検察批判がメディアで語られることもなかった。そこはまだ日本のメディアに健全な部分があることを示している。またそれをネットのコミュニケーションがバックアップしているようにも思う。
 今回の事件で、小沢氏側に金にまつわる問題が全くなかったということを想像するほうが難しい。しかしこの事件に何らかの政治的意図が検察を含めた官僚組織に全くなかったと想像することも難しい。