新しいビジネスモデルを考える。 その1 広告会社のメディア開発


 そもそも広告屋はその時々で売れるものを売るということをやってきたせいか、リスクを背負って、腰を落ち着け、粘り強く、ひとつのメディアを作り上げるという仕事が苦手なのかもしれない。ただ、広告主に直接インターフェイスするのだから、どんなソリューションが売れるかは良く認識しているはずである。その理解をもとにメディア(ソリューション)開発するということは出来るのではないかと思う。リクルートのように、市場があって広告が集まるテーマをメディアマーケティングするという考え方は出来るはずではないかと、期待したい。が、もちろんこうしたビジネスを考えている人たちはたくさんいて、しかも広告会社よりはるかに真剣に自分の本業として取り組んでいる訳だ。そうなると、文化とかスキルとかではなくで、情熱の問題、熱意の問題なのかもしれない。器用貧乏な広告マンが付加価値の高い新しいビジネスを開拓するには、強い熱意と不器用なまでの執拗さが前提となるのだろう。また投資のチャンスは多いが、成功の確率は低いメディアコンテンツ事業には、成功するまでやり続ける経営の強い意志と投資余力が必要だ。ひとつの成功事例を獲得するには10も20もトライしなければならない。そうして初めて得られる知見がある。
 それにはまず、現在のビジネスモデルでも、景気さえ良くなれば何とかなると考えていたら絶対駄目だ。背水の陣で望み、必死で新たな事業を開拓する能力と精神力のある本当の精鋭を、勇気を持って本業から外すことができるか経営者が試されている。