KDDIのJCOM株買収に対して、住商がTOBで応戦する様相になった。日本のCATVの最大の事業者となったジュピターテレコムには、いろんな可能性がある。KDDIの買収予定額は、時価総額を1兆円近くまで評価するものだ。
もちろんこの事業を生んで育てた住友商事からすれば、簡単に譲り渡せるものでもないだろう。この買収劇にはそれぞれの「想い」がある。KDDIからすると、最終的に顧客と結ぶ回線をNTTに頼るしかないことに対する「想い」があるのではないかと思う。
通信事業者は、メディア事業者つまり放送局になるチャンスがある。先だってのエントリーに書いた野村総研の予測データにも、携帯電話の事業収入は縮小するとある。通話やパケット通信料だけではキャリアは成長できない。
ただ、KDDIの積極策は際立つ。ワイマックス、3.9G、MediaFLOなど投資対象が次々にあるなかでのJCOMである。TVを含む固定の回線とモバイルの統合サービスは、世界では常識で、ビジネスチャンスは拡大する。NTTと伍していくためにもこうした積極策が必要なのであろう。
いずれにしても、目が離せない状況である。
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