Marketers, Agencies Locked in a Data Tug of War を読み解く


ちょっと前の記事になってしまったが、3/25付けのアドエイジ誌掲載の「Marketers, Agencies Locked in a Data Tug of War」を読み解いてみる。

http://adage.com/article/agency-news/marketers-agencies-battle-owns-data/240518/



・明らかに、エージェンシーとクライアントで、データの所有権の争い(協議)がある。
 
・データは今や、マーケティング業界での、アツい「通貨」だ。

・クライアントの為に購入したサードパーティのデータに至るまで、エージェンシーのテクノロジー(プラットフォーム)の中に蓄積されてては、クライアントは使い勝手が悪い。

・データの所有権に関する、エージェンシーとクライアントとでの争いがある。

・クライアントも独自のインハウスプラットフォームを作るブームがある。

・Omnicomは、クライアント横断型のデータは作らない、クライアント個別のデータ蓄積に徹する、と言っている(オムニコムのAnnalect:DMPのDMP)「アイデアだが、連合制モデル、とでも言うべき
 みんなが使えるデータ形式になるのではないか」

・Turnは、「所有権問題、というのは、ちと古い」 「今後は、データがある事が前提での、アクセス権、の議論になるだろう」

・HTC曰く、「契約書を作る時は、エージェンシーとの契約ではなく、その先のベンダーと広告主との契約を、必ず結ぶパターン」にしている。

・DSP、DMPの裏で動く、マネーシャッフル(データシャッフル)を理解することが鍵。




など、非常に重要な話が議論されている。


さて、従来のアドテクノロジーに関しては、アメリカが最低でも2~3年先を行っていてくれたので、どういう方向に収斂するかが分かってから日本でのダイレクションを検討できた。しかしDMPに関しては、その差は1年ないんじゃないかと思う。その意味で日本のプレイヤーにもリスクが大きい。しかし、その分先行メリットはより大きくなっている。先行した者に追いつくのは至難の技だろう。それだけ、チューニング(学習)による改善効果が高い仕組みだと思う。