今朝、デジタルインテリジェンスから『CMARC』(TVCMアクチャル到達補完型デジタル広告配信)をリリースしました。
http://markezine.jp/article/detail/23501
このなかで、弊社の基本的な考え方として、TVCMの到達をインプレッション数(TVCMの表示回数)で指標化することを提案しています。
従来も、e-GRPだのV-GRPだのと、ネット広告の方をTVCMの指標であるGRPモデルにしようという努力がなされましたが、成功しているようには思えません。そもそも無理があるのです。
ベムは、広告代理店の時代にTVスポットや番組販売をものすご~く作業してきました。まあ、ローカル局も多かったとはいえ、おそらく少なくとも総計で数10万GRP分くらいのスポット作業をしたでしょう。
その経験値と、96年からネット広告ビジネスを立ち上げてきた(JIAAとWeb研の共同プロジェクトでネット広告の用語集をつくって広告の表示回数をインプレッション数と定義した)知見でいうと、TVCMの方をインプレッション数にしてしまって方がいいというのが私の結論です。
なぜかというと、TVスポットを買い付けている広告主のみなさん! みなさんは通貨としては世帯GRPで買い付けてはいるでしょうが、マーケティング指標としては個人GRP(TARP)を見てますよね。ターゲットGRPです。
でもこのパーセントで見る指標には問題があります。
ちょっと古いデータですが、1998年~2010年の12年間にM1の個人視聴率は98年を100とすると、2010年には70.4にまで落ちていますが、この間、M1の人口は8掛けになっています。ということは、M1への総到達量は98年を100とすると、2010年は56.8になっているということです。F1でも同じく64.2です。
つまり母数が減っているのに、ずっとパーセントで評価するのはおかしくないですか?ということです。
リーチを到達人数、GRPをインプレッション数というように絶対数で捕捉する意味は、まず、それが正確な到達量の数値であること、またエリアをまたいでも足し上げることが出来ること、そしてネット広告と同様の指標で捉えられるということで、TVCMとデジタル広告の組み合わせのしやすさがあるということです。
(CMARCではTVCMのターゲットリーチの補完をこの指標で行います。)
そして、
今回のCMARCは「リアルタイムで捕捉して、リアルタイムで手を打とう」ということを標榜しています。
TVCMとネット動画などの組み合わせの議論は、既にいろんな代理店からもシミュレーションモデルが出来ています。ベムも昨年はずいぶんTVとネット動画のアロケーションモデル構築のコンサルをしました。ここでもひとつの結論があって、事前のシミュレーションはナンセンスということです。
それはそうですよね。なにせTVCMのアクチャルGRPはひどい時はスポット案の7掛けくらいになってしまうこともザラにあるんですから・・・。TVが7掛けになることを想定してシミュレーションしてますか? それに、アロケーションモデルと言っても、ほとんど予算配分の話で終わってしまい、デジタル側をどう配信するかということまではなにもプランニングされないということです。例えばテレビスポットに8000万円使って、デジタルに2000万円使うのが適正配分と答えが出たとして、このデジタルの方の2000万円の使い方は無数にありますよね。誰に(配信先のターゲットは?)、どんなタイミングで、どのくらいの量、どの程度の単価で買い付けて、配信するのか・・・。CMARCでは、ターゲットセグメント(例えば20代女性)のリーチやインプレッション数が目標値に対して、TVCMではどれだけ足りないのか、はたまた、足りているのかをアクチャルをほぼリアルタイムで見ながら、足りなきゃネット動画を入札していくというモデルです。
逆に言えば、足りてれば何もしなくていいのです。予算余らせるべきです。
つまり、事前に最適化プランニングがあるのではなく、リアルタイムで実態を捕捉して「運用で最適にする」という考え方です。
そのためには、予算がプランを決めてしまうという従来の考え方ではなく、キャンペーンをやる以上はターゲットリーチやフリークエンシーに目標設定がなされなければなりません。広告主のみなさん、今回のTVスポットのキャンペーン、ターゲットにまずは関東地区だけで何人に何回見せたいですか? ターゲットは20代女性ですか、30代女性ですか?そのターゲット350万人に2000万インプレッションですか? 400万人に2500万インプレッションですか?
それを想定するためにも、まず今やっているTVCMがターゲット何人に何インプレッション、到達しているか見ませんか?
お問い合わせは下記へ
info@di-d.jp
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