• 業界人間ベムRELOAD
2019.12.22 23:09
『ネット広告2020年問題』
 2020年1月1日からCCPA(カルフォルニア州消費者プライバシー法)が施行される。日本の企業はGDPRでヨーロッパは個人情報扱いに厳しめで、アメリカは今まで結構野放図だから、その中庸で構えていればいいのではかと考えていたのではないだろうか。ところがいきなりカリフォルニア州の州法である意味GDPRよりも厳しいプライバシー保護法が出来てきた。許諾の取り方も流れで無理やり同意させるような手法は基本アウト、「許可なき覗き見(追跡)」を排除するために消費者にいくつかの権利を付与している。日本で言えばタクシー広告でカメラによって男女などを見分けて広告素材を差し替えるなどの手法は、データはサーバーに送られていないとか、記録されないとかいう問題ではなく(そういうエ...
2019.04.12 01:52
除外(exclusion)のターゲティングのすすめ
 ベムは学生のころからバンドを組んでいたが、今でも高校時代、大学時代のバンド仲間とは親友として付き合っている。社会人でのバンドは実に30年を超えて続いている。長く続く秘訣は、各自がやりたい曲を主張しないということだが、それが成立しているのはバンドメンバーに「好きじゃないもの」が共通しているからだ。「好きなものはそれぞれだが、好きじゃない音楽は一緒」という不思議な共通性が長く続いた要因である。 また、ベムが会社をつくるときしっかり定義(意識)したのは、やることを決めるというより、やらないことを決めることだ。やらないことを決めることの方が、やることを決めることより、有り様を決定づけることがある。  さて、なんでこんな話をしたかというと、「好きじゃないことが...
2019.03.30 18:57
ミドルファネルをめぐる攻防 ~上から降りるか、下から押し上げるか~
 この1~3月期は、いわゆるネット専業系が苦戦している。一方電博のネットメディアは堅調のようだ。(特に博報堂は好調のようだ) 今回はこの傾向を分析してみる。従来、マスメディア宣伝部とマス広告主でもネット広告を買い付けるダイレクトマーケティング部門は二分されていて、ネット専業系は後者にと棲み分けていたところもあった。しかし、ブランディング目的でのデジタル広告市場も大きく伸長するばかりでなく、テレビ×デジタルの統合戦略がやっと本格的になってきた。 ブランディング広告とはいえ、「売り」に繋がっているかは厳しく問われるのは当然だ。テレビ広告がそれだけでは「売り」をつくる力が落ちているという議論は、ずいぶんされてきたと思う。デジタル連携がその答えになるかどうかを...
2019.03.15 18:33
『データドリブン』ではなく、 『マーケティングドリブン』でデータを使いこなすということ
「データドリブン・・・」というワードのには、ビッグデータが何でも解決してくれるという幻想が含まれている。データという材料をインプット側だけで語る人たちがいかに多いか・・・。データはマーケティングの米ではあるが、炊かないと食えないし、料理しないと価値がない。データをインフォーメーション化し、それをインテリジェンス化してこそのマーケティング活用となるし、そもそもどんなマーケティング施策を最適化するかどんなアイディアや判断を生むために、データを使うかというアウトプット側からデータ使いをプロデュースする人材がいないと全く成果はでない。だから、データドリブンマーケティングというのは机上の空論で施策ドリブンでデータを使いこなすマーケティングといわないといけない。そ...
2019.01.08 19:13
2019年の広告マーケティング業界の潮流 海外版
さて、こちらはデジタルインテリジェンスNYからグローバル版です。予測というよりは、既に起きていることで、非常に重要な事象をもって2019年を占うものです。①エージェンシー・ランキングの大変動 ■世界一の広告グループだったWPPの時価総額が、半分にマーティン・ソレル前CEOが辞任した英WPPは、2017年1月時点で3.4兆円規模だった時価総額が2018年12月には約半分以下になってしまった。12月7日時点(※1)でWPP(NYSE)の時価総額は1.497兆円(株価USD 52.09)。これに対して同日の電通(東証)は時価総額は1.476兆円(株価5,120円)で、ほぼ同サイズだ。米Omnicom(NYSE)は1.881兆円(株価USD 75.50)で...
2019.01.06 22:46
2019年広告マーケティング業界7つの予測
今年も年初恒例の業界予測です。①デジタル化に向けて教育・人材育成への投資本格化デジタル変革の核心は人材である。企業のマーケティングの本丸では、ここ何年かはデジタルに関して変なコンプレックス(つまりデジタルは専門性が高く、自分たちでは対応できないのでは?という)があって、デジタル専門人材を外部から招聘したりしてきた。しかし、概してそうしてつくった外人部隊のデジタル部門は、Webやアプリといった施策そのものがデジタルなものに対応するだけで、マーケティングの幹の部分にはタッチできない構造をつくってしまった。 枝葉の部分をデジタルで化粧を施すだけなので、かえって本当のデジタル化を阻害してしまった。 ベムが「出島(デジタルマーケティング本部、略してデジマ)」と呼...
2018.11.18 00:39
ミドルファネルを制するのは誰か
 トラッドなエージェンシーが本丸の機能をどうデジタル化するかと同時に、いわゆるネット専業がどうブランドコミュニケーション領域にアプローチするかもベムは注目している。 リスティングやリタゲなどいわゆる「刈り取り」に勢力を注ぎ込んできたネット専業代理店が、例えばテレビCMもつくり、デジタル動画広告もつくり、刈り取りの効果指標で評価するマス×リアル×デジタルを実現できるかである。
2018.10.16 22:01
「ABテスト」って・・・
 ネット専業系の文化に「ABテストして・・・」という最適化概念があるが、これに関しては、ベムは昔から、「それってAからZまで考えてからABテストしてるのかな?AとBのふたつだけ考えてどっちがいいかなんて、もしかするとどっちが一番ひどいクリエイティブかを選別するYZテストかもしれないよね?」という憎まれ口を叩くことにしている。 トラディショナルな広告コミュニケーション開発をやってきた僕には、表現開発には「まず考えられることを全部書き出してみよう」というプロセスから入るのが習慣づいている。「明日までに100本コピー書いてこい!」というのは、質を求めてはいない。量を求めている。つまりは表現する考え方をいったん網羅して、それから収斂させるというのが、クリエイテ...
2018.09.28 18:25
プロセス革命とアートの温存
  広告ビジネスが面白いのはクリエイティブを始めとして「アート」な部分を少なからず温存しているからだが、本格的にデジタル化が進むとどうなっていくだろうか。またこれは当事者である広告マン自身がどうして行きたいかという問いかけでもある。 以前ある講演で、AIによって最初に人がクビを切られる産業は、広告業界(ネット広告業界)だろうと話したことがある。AIまでいかなくても、今「人手が足りない、人手が足りない」と騒いでいるオペレーション領域が真っ先にオートメーション化する。いわゆるRPAで業界は息を吹き返すだろう。とはいえ一方で雇用の面では、単純オペレーションしか出来ない人材は要らないということが急激に起きる。 そもそもプログラマティックという以上はプログラムに...
2018.09.23 17:43
アッパーファネルが微妙になっているのでは?という仮説
購買ファネルという考え方はどうにも古臭いと思えて仕方ないのだが、かと言ってこれを否定してしまうと広告効果も否定されかねないので、うかつにどうこう言えない。しかしAIDMAでいえば、D(欲求)やM(記憶)をいう概念は、消費者がモノやサービスに渇望していた時代のもので、今はない訳ではないが数少ないカテゴリーに数少ない消費者を対象にしか言えないのではないだろうか。いずれにしてもすべてカテゴリー、すべてのブランドに当てはまるファネルという概念はもうない。テレビCMの効果から考えると、テレビで認知から関心までを得ることが出来るブランドもまだまだある。特に高齢層向けの商品やサービスは、ターゲット到達効率が極めていいので、(過多なくらいのフリークエンシーを稼げるので...
2018.09.21 21:31
ベムは還暦
 1958年生まれで今年60周年というヒト・モノ・コトでいうと、東京タワー、前国立競技場、ホンダスーパーカブ、シーチキン、チキンラーメン、グラミー賞、マイケル・ジャクソン、マドンナ、ドリカム中村正人(彼とは大学のクラスメートで誕生日は2日しか違わない)・・・。 このくらいの時期に生まれると、日本のアニメを「鉄腕アトム」からしっかり観て育つ。エイトマンもスーパージェッターも巨人の星も将来それらを番組企画していた広告代理店に入社するとは当然全く思いもせず熱中していた。エイトマンには宿敵と東京タワーで闘うシーンが出てくるが、私の「タワー愛」はエイトマンからかもしれない。ビートルズも解散前からレコード買って聴いてたし、ネオシネマ時代の洋画も感受性の高い時にリア...
2018.08.19 18:30
エージェンシーのデジタル化は実現するか
ベムが起案者であり創業メンバーだったDACが博報堂のTOBで上場廃止となる。既に支配下にあるDACを有利子負債までして1100億も出して完全子会社化する博報堂の判断に首をかしげる者も多いだろう。「1100億もあるならADK買っちゃえばいいのに・・・」の声も聞こえてくる。まあ、それだけ今のADKには価値がないというか、買えば返ってお荷物なのだろう。それだけ博報堂はデジタル化を急ぎたい。(ADKにはもう自分自身ではデジタル化の目がない)DACホールディングスには商流で代理店を通すメディアレップDACと広告主直のアイレップの主力2社があるが、SEMというなかなか潰しの利かないソリューションに特化したアイレップが対応するソリューションの幅を広げるのは簡単ではな...

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