想定より早く日本は人口減少社会へと突入した。国内市場に限れば、広告市場も拡大は見込めない。さらにここに来て製品原価のコスト高で、マーケティングコストへの圧力も強くなる。結果、積極的な新商品導入施策よりは、既存商品の需要維持拡大策の方にマーケティングコストの移行が起きるだろう。そうすると、アテンション(注目喚起)を担う広告とペネトレーション(浸透)を担う広告で比較すると、後者のシェアが上がることになる。
既に獲得してあるブランド資産をベースに、コアコンシューマの再編成、ファン意識の再構築を図ることの方が、こういう時期を乗り切るにはシュアな選択と云える。新商品導入の積極策ももちろんなくなりはしないが、選択と集中でタマを絞ってしっかりローンチするようになる。中途半端な新ブランド導入は少なくなるだろう。
そして、コアコンシューマの再編、ファン意識醸成に「うってつけ」なのが、ネットを活用したマーケティング活動である。影響力のある消費者をブランドの支持者として確立する発想が、今後のマスマーケティング企業のブランドコミュニケーションにおいて一番重要な視点となる。マーケティングメッセージの送り手と消費者たる受け手という単純な図式で語れる時代は終わっている。
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