アドネットワークの意味



「インターネット広告のひみつ」でも取り上げていたが、e-マーケターに「3 Hidden Trends in 2008」と題された論文が載っている。

 「3つの隠れた潮流」ということだが、良く読むと決して隠れているわけではない現象だと理解できる。
 3つのトレンドのひとつ目に「メディアの断片化」を指摘しているが、一方でアドネットワークの膨大なリーチが、細かなターゲティングをしても一定以上の絶対量に投下できるようになったことを、新たな流れと見ている。

 実はアメリカではユニークユーザー数でランキングすると、上位4つはアドネットワークだ。5位にヤフーで、6位グーグルとなる。アドネットワークが発達しているのは、欧米ではバイイングサイドの論理で、ネット広告スペースを買う仕組みが進んでいるからでもある。特に第三者配信サーバーの利用と行動ターゲティング技術の進化によって、広告主のWebサイトとの関連から広告配信ブラウザを特定する考え方が定着した。例えば、オーディエンス・リード・バックのような広告主サイトの訪問履歴のあるブラウザを特定して広告を打つような仕組みが市民権を得ている。

 こうなってくると、主導権は全く広告主つまり広告のバイイングサイドにある。掲載面にはあまり意味はなく、ブラウザが対象になる。しかしこうしたバイイングサイド主導の広告投下にはアドネットワークの存在が条件になる。膨大なリーチを集めてあるからこそ、広告主主導の様々なターゲティング、セグメントに耐えうる。

 つまり、行動ターゲティングはターゲティングメールのように広告を配信するブラウザを特定して広告配信するので、そもそもそれだけのデータベース(ブラウザベース)のある巨大アドネットワークがないと力を発揮できないのだ。

 今こそ日本でも本格的なアドネットワークの成長を期待している。