次世代広告マンになるために、こんな古いマーケティング理論の話かと怒られそうだが、こういう基本的な戦略論(行動を決定する指標)は憶えて置いても損はない。
クープマンの目標値とは市場を的確に把握し、戦略を立案するために、マーケットシェアには意味のあるポイントがあるというやつである。
・独占的市場シェア---73.9%
・相対的安定シェア---41.7%
・市場的影響シェア---26.7%
・市場的認知シェア---10.8%
・市場的存在シェア--- 6.8%
①独占的市場シェア:このパーセンテージをとればトップが引っ繰り返ることはほとんど有り得ない独占的シェアであり、トップ2社でこのシェアなら2大寡占ということ。
②相対的安定シェア:トップにこの数字を握られると、下位ブランドはシェアを上げにくくなる。安定したトップ企業のシェア。
③市場的影響シェア:この数字は2位であっても市場に影響を与える水準値として相対的安定シェアとともに目標にされる。「市場に影響を与える」とは、ある企業が新製品を投入したり、キャンペーンを張ると、競合も同調ないし対抗手段を講じなければならない状況をさすらしい。
④市場的認知シェア:市場において存在が確認される水準。生活者が「こういうブランドがある」と思い出してくれるレベルで、これ以下だと生活者の記憶に残りにくいとのこと・・・
⑤市場的存在シェア:市場においてようやく存在を許されるシェア。これ以下では市場自体の成長性が著しくなければ撤退が賢明とのこと。1960年代にGEが戦略ビジネスユニット(SBU)制を採用したとき、自社製品シェアが6.8%以下で、競合企業に40%(相対的安定シェア)を握られている商品については市場から撤退したとのこと・・・
GEが各市場で6.8%に達していない事業から撤退したのは有名な話。シェアには意味があり、それぞれにとるべき戦略の基準となるわけだ。
この理論を、マーケティング戦略に応用する場合がある。例えばブランドが持っているイメージが競合市場でどの程度のシェアなのか、ライバルとどんなファクターでせめぎあっているのかを視覚化する際に、このクープマンの目標値に達しているかいないかで、線引きして整理することができる。ブランドイメージの橋頭堡となるイメージは何か確認する上で、クープマンの目標値に達しているかどうかで意味づけられる。
ちなみに私ベムはこの理論を応用することを、シストラットコーポレーションの森さんから教えていただいた。
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