2008.04.29 01:02次世代広告マン養成ギブス その11 交通広告の到達データ 交通広告の到達力は、まずは乗降客数をサーキュレーションとしてカウントする考え方がある。いちおう接触することが可能な人数だから、もちろん確実な接触者数ということではない。 そのサーキュレーションだが、一日の平均輸送人員は、JR首都圏全線が、23,790千人、JR3線(山手、中央、京浜)で、21,207千人、東京メトロが7,352千人、私鉄(城南3線)が6,095千人だ。 関西圏では、JR大阪が、5,609千人、大阪地下鉄2,280千人、阪急1,740千人。中京圏で、JR東海606千人、名古屋地下鉄1,119千人という具合だ。 交通広告の到達データに関しては、基本的に広告会社各社はビデオリサーチ社のSOTOを使うか、これをカスタマイズして使用していると思...
2008.04.26 21:49次世代広告マン養成ギブス その10 交通広告の現状 日本の広告費における交通・屋外広告は、マス広告が3年連続で前年割れをしているなかにあって、交通広告が2006年で前年比103.1%、2007年が102.0%、屋外広告が2006年で前年比103.7%、2007年が102.4%と比較的堅調な伸びを示している。 交通広告と屋外広告を合わせると、広告費全体に対してのシェアは9.5%と、テレビ、新聞に次ぐことになる。(ネットよりまだ大きい。) 交通広告は、生活導線で必ず接するメディアであり、移動中の生活者と店頭(販売時点)を繋ぐ接点といえる。 例えば、下記は独身OLの平日の生活行動と体験接点である。 ・深夜~早朝(24:00~05:00) テレビ16%、携帯(メール)14%、ネット12%...
2008.03.20 23:32次世代広告マン養成ギブス その9 新聞広告の広告接触率測定 総合代理店の方には釈迦に説教になるが、改めて新聞広告の広告接触率、注目率に関して整理する。意外にというと怒られるが、新聞に関してはかなりデータが揃っていて、シミュレーションが可能になっている。 新聞に関しては、何階層かの到達指標がある。まずは、販売部数が指標となるビークル到達、それから新聞閲読率、そして接触率として面別接触率と広告接触率がある。 また広告接触率が到達者のうち「確かに見た」、「見たような気がする」の回答者率であるのに対し、トップボックスの「確かに見た」だけの回答者率でみる「広告注目率」という指標がある。これについては各新聞社がHPで開設しているので、よく分かる。下記は読売新聞の新聞広告接触率、注目率の解説ページ。http://adv.y...
2008.03.19 23:13次世代広告マン養成ギブス その8 SMO(ソーシャルメディア・オプティマイゼーション)特に企業(商業的)サイトに求められるソーシャルメディアとしての最適化(SMO)。SMOとは、「リンクされやすくしたり引用されやすくしたりすることによって、ブログやSNSといったソーシャルメディアにおける存在感を高めること」を意味する。オグルヴィパブリックリレーションズのインタラクティブマーケティング担当部長Rohit Bhargava氏がhttp://rohitbhargava.typepad.com/weblog/2006/08/5_rules_of_soci.html5原則を提唱した。その5原則とは以下のとおり。1)Increase your linkability 魅力のあるコンテンツを発信してリンクされやすく2)Make tagging an...
2008.03.18 22:46次世代広告マン養成ギブス その7 「視聴の分散化」 前回テレビ視聴率を個人視聴率換算にしてその低下傾向を示した。しかし、これをもってテレビがダメだという議論をしているわけではない。ただ視聴傾向は確実に変化しており、従来の絶対的パワーに陰りが見えるのも事実だ。2000年にレギュラー番組で平均視聴率が20%以上あった番組は、17番組だったが、2006年には5番組しかない。 ところで、地上波以外のBSやCSの視聴動向はどうだろうか。地上波以外のその他の局ということで、視聴率動向は下記のようになっている。いずれも1997年の視聴率→2006年の視聴率 ( )内は97年を100としたときの2006年の数値世帯 1.8 → 3.6 (200.0)個人全体 0.9 → 1.7 (188.9...
2008.03.15 23:58次世代広告マン養成ギブス その6 新聞の閲読率推移 新聞広告市場は、2000年に1兆2474億円あったものが、2007年では、9462億円となった。2000年を100とすると2007年は、75.8だから市場のシュリンクはかなりのペースだ。新聞の閲読率も全世代で落ちている。もともと新聞の閲読率は年代が上がるほど高くなるが、約10年前と比べて一様に下落していて、10年前の30代の閲読率が今の40代の閲読率に、10年前の20代の閲読率が今の30代の閲読率になっている。 つまり、新聞を読む人は引き続き読んではいるが、新しい世代は新聞を読まない人の割合がどんどん増えているという構造となっている。 朝日、毎日、読売、日経、サンケイの5紙合計閲読率を年代別に見ると・・・。まず全体では、97年に78.1%あったもの...
2008.03.08 22:58次世代広告マン養成ギブス その5 「テレビの個人視聴率推移」 テレビの到達力指標である視聴率は、云うまでもなく、基幹地区は機械式でパネル視聴世帯からデータを集めている。世帯視聴率つまり単純にテレビが点いているかどうかと違って、個人視聴率の場合は、個々の世帯構成員が視聴する度にボタンを押しておいてもらう方式になった。世帯視聴率はずっと機械式だったが、個人視聴率も機械式で取るようになったのは意外と最近の97年からである。それ以前の個人視聴率はいわゆる日記式で、日記式から機械式に変わって、個人視聴率は7~8掛けになったと記憶している。 さて、この機械式になった97年から以降の視聴率推移を見てみよう。それ以前とはあまり比較にならないからだ。 関東地区19:00~23:00の全局視聴率で見ると、世帯視聴率は、97年に68...
2008.02.28 23:11次世代広告マン養成ギブス その4 「メディア別ターゲットCPM計算」 広告効果を接触量だけで測る時代ではない。接触ベースではなく、インパクトベースで測定しようというムーブメントが「エンゲージメント」という概念をつくった。 そういう環境で、広告フォーマットの違うメディア間をCPMで比較すること自体、非常にナンセンスではあるが、いちおう到達コストがどの程度かを、ターゲットCPMも換算してみた。例えば、M1(男性20~34歳)のターゲットCPMで比較してみよう。 新聞 18,261円 雑誌 3,113円 テレビ 4,771円 ラジオ 1,251円それぞれ個人全体のCPMで 新聞 1,924円 雑誌 1,122円 テレビ 472円 ラジオ 180円だから、特定層をつかまえるコストは、単純到達コストよりか...
2008.01.24 00:13次世代広告マン養成ギブス その3 プロダクトコーン理論 昔からTV広告のデメリットは、リーチはあってもターゲティングが効きにくいことだといわれる。しかし本当のデメリットは、「見込み客」にもそうでない人と同じ15秒のメッセージしか届かないことだと思う。 興味をもって、購買行動を起こす可能性が高くなっている人に、基本的にアウァネス(気づき)を主目的とするコミュニケーションだけで、購買決定のための次のステップのメッセージが送れないのが最大の問題だ。 ところで、シストラットコーポレーションの森行生氏が提唱する「プロダクトコーン」という考え方がある。円錐のベースの部分が「規格」(企業側の商品定義)、その上の部分が「ベネフィット」(生活者が得するコト、モノ)、先端の部分が「エッセンス」(商品がもつ性格)というやつで...
2008.01.18 01:27次世代広告マン養成ギブス ②クープマンの目標値次世代広告マンになるために、こんな古いマーケティング理論の話かと怒られそうだが、こういう基本的な戦略論(行動を決定する指標)は憶えて置いても損はない。クープマンの目標値とは市場を的確に把握し、戦略を立案するために、マーケットシェアには意味のあるポイントがあるというやつである。 ・独占的市場シェア---73.9% ・相対的安定シェア---41.7% ・市場的影響シェア---26.7% ・市場的認知シェア---10.8% ・市場的存在シェア--- 6.8% ①独占的市場シェア:このパーセンテージをとればトップが引っ繰り返ることはほとんど有り得ない独占的シェアであり、トップ2社でこのシェアなら2大寡占ということ。②相対的安定シェア:トップにこの数字を握られ...
2008.01.14 03:34次世代広告マン養成ギブス その① 有効フリークエンシーの理論次世代対応の広告マンスキルを養成するためのギブスです。特にネット広告会社の皆さんに、まずはマス広告系のメディアとコミュニケーションの理論や実際についてコメントしてみます。ギブス①は、フリークエンシーに関する理論について TVを中心に「広告の有効頻度(有効フリークエンシー)については、様々な議論がされて来た。マス広告がたいへん機能していた60年代、70年代に確立した「有効頻度論」にいわゆる「スリーヒット」論などがでてくる。まず、66年にColin McDonaldが「継続的に購入が繰り返される商品の場合、広告を1回露出された場合より、2回露出されたほうがブランドスイッチは多い。」ということを実証した。72年にはKrugman が「3回目の広告露出が重要で...