「The end of Advertising as we know it」を読む。 その1


 昨年IBMが2400人以上の消費者と80人以上の広告の専門家を対象とする国際調査を行なって出したレポート「The End of Advertising we know it」はじっくり読めば読むほど内容がある。広告ビジネスが極めて近い将来直面する環境が理解できるたいへん重要なドキュメントだ。

 まず、広告のビジネス環境にかかわる4つの変化として、
「アテンション」、「クリエイティビティ」「メジャーメント」「広告インベントリー」をあげている。


「アテンション」の項目では、下記のような変革を指摘している。

『消費者は自分たちが見たり、興味をもったりする数多くの広告対してフィルターをかける事などのコントロール可能になってきている。人々は今までのテレビに興味をなくし、広告をスキップすることや、シェアすること、格付けツールに慣れ始めている。今や個人のパソコンの時間がテレビのライバルとなっている。(調査では71パーセントが1日に2時間以上PCを使用し、それに対し48パーセントが同じ時間テレビを見るという。)』

 要するに従来のようなプッシュは簡単に効かないということだ。コミュニケーションの主導権は圧倒的に情報の受け手(消費者側)に取って代わった。ブランドコミュニケーションの第一関門である「アテンション」そもそもに構造的変化があると指摘している。

 続く