橋本内閣時代の省庁再編は大失敗


 昨年来の食品偽装問題や中国産農薬混入ギョーザの問題で、今になって消費者庁をつくろうという議論がでている。消費者を守るための食品衛生法、JAS法、景品表示法ほかが別々の省庁管轄であることで、縦割りになって情報共有がうまく機能しなかったから一元化しよういうものだ。しかしこんなことは何十年も前から分かっていることだ。今になって評価すると、あの橋本内閣時代の省庁再編が本質的な再編に全くなっていなかっただけでなく、改悪だったことが分かる。

 最近、役所の不手際は、ほとんどあの時統合されて巨大官庁になった厚生労働省と国土交通省で起こっている。

例えば、



・社会保険庁の絶望的なまでの体たらく
・国土交通省の建築基準法改正に伴う準備不足に発した官製不動産不況
・薬害エイズの反省すらない肝炎薬害
・羽田空港の本格的国際化の障害となる国交省
・社会保険庁の解体に伴って、全国の社会保険病院の運営母体が未だに決まらず
存続の危機状態にあること

などなど枚挙にいとまがない。

 厚生労働省も国土交通省も巨大すぎて、大臣がひとりでは官僚に太刀打ちできなくて政治のコントロールが利いていない。(副大臣や政務次官は何をしているのか分からない)

 その意味で、この時の省庁統合は官庁の数を減らすというだけで、時代に合った機能再編ではなかったことが分かる。