日経広告研究所の広告費予測(2008年度は1.2%増)


 日経広告研究所の2008年度広告費予測値が発表された。2008年度(4月~2009年3月)の総広告費が前年比101.2%となる見通しだ。
 それ以前に、2007年度だが、事前発表を多少上方修正して、100.6%とした。
但し、マス4媒体は、見直しで減少幅が拡大し、前年97.2%としている。新聞が94.9%、雑誌が95.5%、テレビが98.4%、ラジオが94.9%である。

そろそろ発表される電通の「日本の広告費」ではどういう数値になるだろうか。やはり広告費はGDPの成長率を下回るのか。


 さて、マス媒体の前年割れ傾向は続いている。これが、今後の景気低迷の兆しのなかで、特に北京オリンピック以降にどうなるかが問題だ。
 企業は、ただでさえ国内市場がシュリンクする中、大型新製品導入や大型キャンペーンを組む商品ブランドを絞ってくると思われる。さらに費用対効果の明確化と、キャンペーン成果の見直しを比較的短期間のサイクルで行なう傾向が強くなると思われる。
 広告需要が旺盛なときは、有力な枠確保が優先されるが、比較的買い手市場になると、尚のこと、効果を検証しつつメディアバイイングを含めたキャンペーンコスト管理を行なうようになる。
 こうした傾向はおそらくオリンピック以降により顕著になる可能性がある。
しかし広告キャンペーン自体の効果が落ちている(もちろんプランニングしだいだが・・・。)
わけではない。効果的な施策であれば投資しないとシェアを落とす。その意味では昔よりシェアが動く時代でもあり、企業もここぞいうチャンスにはしっかり広告キャンペーンを実施する意欲はあると思われる。
 ただ、繰り返しになるが、費用対効果が明確になる施策やメディア、比較的短期のサイクルで見直しができる施策やメディアに流れる傾向はより強くなるだろう。