デジタル・サイネージの成長期待


 交通広告やOOH(アウトオブホーム)メディアへの関心が集まっている。ひとつは、リーセンシー効果への認識が高まったこと、そしてデジタル化し始めて、単なる看板から動画などへ訴求力アップと時間帯別などの効率訴求対応が進んでいることがある。
 その中でも、デジタルサイネージと呼ばれる高精彩のモニターによる情報提供装置が注目されている。技術は進んでおり、インタラクティブな装置になって、接触者の自己関与をたいへん高くすることも期待されている。

 デジタルサイネージには、日立やパナソニックなどのモニターメーカー系がどんどん参入していて、市場を開拓している。ところが、広告会社系は、もちろん装置産業で多額の資本も必要なためほとんど自ら手を出していないばかりでなく、成長しつつあるこうしたデジタルサイネージへの広告扱いにも今まではあまり熱心ではなかった。メーカー系のデジタルサイネージの会社もほとんど独力で広告扱いを拡大している。


 日本の交通広告や看板、サインなどの不動産系広告は、昔から手がけてきた専門会社がたくさんある。ただこうした会社は今経営状態が良好なところばかりでない。従って、いわゆる看板をデジタルサイネージ系にする設備投資ができる状態になく、このままでは時代に対応できない。よって比較的大きな資本がこうした事業に本格参入してくるだろう。
 ただ、日本国内での多額な投資が、身になるかはよく分からない。それだけ日本の広告市場への期待値は低いといえる。おそらく彼らが見据えているのは海外展開ということだろう。