昔のテレビを語る その9 「エイトマン」


 私ベムの世代は、物心ついた時分にテレビアニメが始まって、それ以来テレビ番組のなかでも多くのアニメコンテンツと伴に成長してきた。私なんかは社会人になってからでも、仕事としてアニメに関わってきた。大学を出て就職した先は、昔のアニメ番組のエンドロールに社名がクレジットされていた会社だ。
 
 そんななかで、子供のころ一番好きだったのが、「エイトマン」と「スーパージェッター」。特に鮮明に覚えているのが、エイトマンが敵と東京タワーで闘うシーン。他のアニメではもう具体的なシーンをちゃんと覚えているものが少ないが、エイトマンだけはこのシーンをしっかり覚えている。東京タワーが子供心にも未来的な建築物の象徴だった。そういえば私は東京タワーと同い年だ。
 エイトマンが吸うタバコは、エネルギー充填のための小道具なのだが、そうしたディテールも普通のアニメと違って面白かった。原作がSF作家の平井和正氏であり、原作者と漫画家の共同作業のアニメとしては最初のものだったかもしれない。
 
 この時代のアニメはお菓子とそのおまけのシールなどに直結していて、アトムはマーブルチョコレートに入っていて、丸まっちゃうシール。狼少年ケンは森永ココア、エイトマンは丸美屋のふりかけだ。鉄人28号の番組のオープニングの歌の最後の部分は「グリコ、グリコ、グリコ~」と歌い込んでいた訳で、スポンサードの強さは今とは比較にならない。

テレビの1社提供は、既に絶滅に近い。スポンサードの意味を再構築する必要がある。