交通広告の到達力は、まずは乗降客数をサーキュレーションとしてカウントする考え方がある。いちおう接触することが可能な人数だから、もちろん確実な接触者数ということではない。
そのサーキュレーションだが、一日の平均輸送人員は、JR首都圏全線が、23,790千人、
JR3線(山手、中央、京浜)で、21,207千人、東京メトロが7,352千人、私鉄(城南3線)が6,095千人だ。
関西圏では、JR大阪が、5,609千人、大阪地下鉄2,280千人、阪急1,740千人。中京圏で、JR東海606千人、名古屋地下鉄1,119千人という具合だ。
交通広告の到達データに関しては、基本的に広告会社各社はビデオリサーチ社のSOTOを使うか、これをカスタマイズして使用していると思う。
これには、いくつかの基本指標がある。
・GRP(延べ利用率)
広告期間における選択した路線や駅の利用率の総和。総露出量の指標である。広告期間内の複数日の利用日数を掛け合わせた延べの数字。
・Reach(累積利用率)
広告期間において、選択された路線や駅を1日以上利用した人数の、ターゲット全体に対する割合。広告期間内の複数日の日数を掛け合わせない実数字。
・Frequency(平均利用回数)
広告期間において、選択された路線や駅を、Reachにあたる実利用者が1人あたり平均何日利用するかを示す露出頻度の指標。
・コスト・パー・ポイント(C/P)
GRP1%あたりの広告料金。C/P=広告料金÷GRP
・CPM(利用者千人あたりコスト)
CPM=広告料金÷(エリア内ターゲット人口×GRP)×1000
これらの指標で実際のビークルを評価すると・・・。
JR3線セットの中吊りを月火曜日使うと、
Reachは、26.2% GRPは、60.9%、フリークエンシーが、2.3回となる。
また、ターゲットごとでリーチを見ると、このJR3線中吊り(月火曜日)は、
・個人全体 26.2%
・男性会社員 35.1%
・OL 36.7%
となる。
つまり首都圏(詳しいエリア設定情報がなくて申し訳ないが)の対象者に対して、これだけリーチしているというデータである。さらに複数のビークルを使うと、単純にリーチを足し上げるのではなく、累積到達率として重複を除いたデータが出る。
こうして見ると、交通広告は意外とデータがある世界だ。(もちろん広告レスポンスは測れないが・・・。)
また、 交通広告には種類別に広告到達率、注目率のデータがある。JR東日本企画の2007JRメディアガイドによると、「確かに見た」「見たような気がする」のポイントを広告到達率、トップボックスのみを広告注目率として、
・車内中吊り 広告到達率 26.1% 広告注目率 13.3%
・車内まど上 広告到達率 6.3% 広告注目率 22.7%
・車内額面 広告到達率 49.5% 広告注目率 20.5%
・ステッカー 広告到達率 28.7% 広告注目率 6.5%
などのデータがある。これは単純比較できないのが、掲載期間が違うこと。中吊りは2泊3日だし、まど上はJRだと4~5日、地下鉄・私鉄は1ヵ月、額面は1週間、ステッカーは1ヶ月になる。掲載期間が長かったり、目線のレベルにあってスペースが大きいほど到達率、注目率が上がる。
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