広告という仕事は、「マーケティングとコミュニケーションの重なっている部分」と云える。ところが、重なっている部分だけ理解していればよい訳ではない。
コミュニケーションという領域全体に理解が及んでいないと、新たな重なりが創れない。また広告会社側は、そもそもコミュニケーションに優れた知見をもっているから成立する商売だ。マーケティングの方は、クライアントである広告主企業の方が当然、より理解している。
従来、コミュニケーションというとほぼマス4メディアとこれらに載せるコンテンツのことを語れば済んだ。ところが、ここ10数年で、劇的に特に若い世代のコミュニケーションの有り様は構造的に変わっている。
一回、広告やマーケティングと関連づけないで、現代の新世代のコミュニケーションの実際をしっかり考察してみる必要がありそうだ。
今日、現役の大学生に、今の学生の世代のコミュニケーションの実態についてプレゼンしてもらった。
前提からしてmixiのマイミクの人数の話からスタートする。実際に周辺に何人もいるオンラインコミュニケーションの達人のような調査対象者について定性的な情報で実像を理解させてくれた。
感想を云うと、
広告会社の経営陣は、新入社員に研修している場合ではなく、新入社員に今の世代のコミュニケーションの実態をレクチャーしてもらうべきだ。
昔は、数十年単位で新しい価値観や行動様式を持つ世代が現れてきたが、今は10年経たないうちに全く新しいコミュニケーション感覚をもった世代が次々に現れる。
今の10代にはもっとすごい世代が控えている。
昔は広告会社の幹部も新入社員もコミュニケーション構造は大して違いがなかっただろう。しかし現代は新しい世代のコミュニケーション行動については理解に相当な勉強が要る。
コミュニケーションの領域の知見をもっていることが、広告マンの広告マンたる資格だとすると、ずいぶん怪しくなっている人が多い。(私も含めて)
ただ、新しいコミュニケーション感覚と行動をとる世代の人たちを、広告会社に取り込むとしても、彼らを活用するにはもっとビジネスモデルフリーに思考してもらうことが必要だろう。
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