「人材育成」と「キャンペーン開発プロセス」


「マス領域とネット領域の双方を理解し、クロスコミュニケーションキャンペーンをプランニングしたり、プロデュースできる人材が欲しい。」これはマーケティングコミュニケーションの業界の願いである。当然そうした人材育成を考えてはいるだろうが、まだこれと言った育成の方法論は見つかっていない。またこうした人材育成が広告会社の中だけでできるものとも思わない。
 マス領域もインタラクティブ領域を両方理解して、360度のクロスコミュニケーション戦略を立案できるようになるには、まずクライアントといっしょにキャンペーンの開発プロセスを変えないといけない。
 従来の広告主企業内のプロセス、それを受けた広告会社側のプロセス、これらを抜本的につくりかえる必要がある。従来のようにテレビ広告クリエイティブ発でスタートするのではなく、ブランデッドコンテンツ発で、かつWebをマーケティング装置として中核に位置づけるというようなキャンペーン構造をもとに、企業側ではどういうメンバーによって、どこから組み立てるか、広告会社にはどこからどういうメンバーに参画させるかを発想し直すことだ。
 そして、こうしたプロセス改革としないと人材育成もままならないのではないかと思う。スーパーマン人材を育成してやるか、スキルが開発されるようなプロセス改革をするか、「卵が先か、鶏が先か」の議論だが、こうしたプロセス改革を行える企業が次世代をリードするのは間違いない。