「検索の限界」とリコメンドエンジンの価値


 サーチエンジンによってユーザーと情報のマッチングが進んだのは周知のとおり。しかしそれでもスタンバイされている情報と消費されている情報の差は拡大するばかりだ。もちろん消費できる情報の限度もあるのだが、ネットユーザーとしては、常に能動的な情報取得行動をしなくても自分の欲しい情報に出会えるチャンスが増えるのはいいことだ。
 いわゆる「検索の限界」を解決してくれそうなのが、リコメンドエンジンだ。ほとんどのネットユーザーが楽天やアマゾンでリコメンドを受けているはずだ。しかし、今ひとつ「なるほど」と思えるような推奨があった覚えがない。スターウォーズのエピソード1を買うと、エピソード2から6までリコメンドしてくるのはもちろん間違ってはいないが、それだけでは人間技の範疇を超えない。膨大なデータから文脈や関連性のニューロンのようなものを読み取って、通常では思いがけないが、興味関心のネットワークにはある「つぼ」を心得た「推奨」をしてくると面白い。
 そうすると、おそらくロングテール部分の売上が活性化するのだと思う。本来出会う機会のないコンシューマとコンシューマをマッチングするというインターネットの本来持っている力が、まだまだ発揮される余地は残っている