2008.07.28 23:49広告会社はCTOを置くべし 最近になって日本でも「アドテクノロジー」というワードが業界で使われるようになった。ただアドテクノロジーの本質を理解している人は極めて少ない。 昨年、aQuantiveをマイクロソフトが買収したり、グーグルがダブルクリックを買収したり、WPPが24/7を買収したりと、広告配信を中心とするアドテクノロジーを大資本が(MSに至っては自分が世界最大のソフト開発会社であるにもかかわらず)次々と囲い込んだ。その影響で日本の広告会社の経営層もアドテクノロジーを認識しないわけにはいかなくなったようだ。 アドエイジ誌の世界の広告会社ランキングで、10位はADKだが、その上の9位にランキングされているのaQuantiveである。aQuantive自体は持株会社な...
2008.07.20 16:33テレビの日本語 「あるある」事件をきっかけにテレビは健康情報番組から、雑学(および雑学クイズ)番組に大きくシフトした。特に日本語を再認識する番組も多く、そのこと自体は良い傾向だと思うのだが、その効用という点ではあまり顕在化していない。テレビの日本語(テレビ番組で使われる日本語)は、依然非常にあやしい。 特に日常的な会話での基本、尊敬語、謙譲語の基本ができていないのが情けない。その典型が自分の妻のことを「奥さん」と呼ぶケースが非常に多いこと。云うまでもなく「奥」とは尊敬語であって、自分の配偶者に対して使う言葉ではない。これを使うだけでその人間の教養のなさが露呈されるのだが、その辺の三流芸人であれば、「さもあらん」で済むが、そうでもなさそうなタレントが使うと、事務所や局...
2008.07.12 16:18メディアプランニングスキルの方向 メディアプランニングは従来、クライアントの対象ブランドにとって最も適したメディア、ビークルを選択する作業なので、一見広告主サイドに立っているようではあるが、実のところは、対象ブランドと広告メニューのマッチング作業といえるので、選ぶ権利はあるが、基本的にはバイイングサイドの論理でカスタマイズされるものではない。 従来、広告スペースが有限な「枠」の論理で、その希少性をもって価値としてきたが、本来希少価値があるのはあくまでコンテンツであって、広告枠そのものではない。そして今後は、すべての広告主にとって価値のある「枠」というものは少なくなっていくだろう。 広告が、「多くの人が集まるところに出す」ことに価値がある、つまりリーチに価値があることはすべての広告主に...
2008.07.04 23:51たいへん興味深い「山本直人さんのブログ」 元博報堂でマーケティングコンサルティングをされている山本直人さんが、ブログをリニューアルされた。新ブログはスタートされたばかりだが、エントリーは実に面白いというか、興味深い。 まずは、広告業界人を、マス右派、マス左派、ネット右派、ネット左派の4象限に分けた議論。 http://www.naotoyamamoto.jp/blog2/archives/2008/06/post-6.html 自分はどこにいるのだろうということと、今後どこにいる人たちと連携すべきか。あるいは、自分は橋渡し役になって新しい価値をつくりたいとか発想する起点になる議論だ。 山本さんのブログにあるように、会社を超えたところで、人による再編が広告のビジネスリモデルには必要かもしれない...
2008.07.02 00:38広告業界市況 オリンピックの年だというのに、日本の広告界の業況が芳しくない。 これは世界的な現象なはずだが、燃料、原材料費の高騰で、企業も大型の広告キャンペーンを行なうブランドを絞り込んでいる。おそらく大型のキャンペーンの案件そのものが少なくなっている。 一方アメリカを中心に、景況感が悪いにもかかわらず、2007年の世界的な広告市場の伸長率は高い。2008は厳しいものの、日本ほどは暗くないようだ。 世界の傾向でいうと、広告会社のドメインは、いわゆる「広告(アドバタイジング)」のシェアは年々少なくなっている。広告制作、メディアバイイングは半分程度で、あとはPR、プロモーション、デジタル、専門分野(医療など)やいわゆるDAS領域で構成されるようになった。 で、成長を牽...