2017.02.24 20:15テレビCMとデジタル動画広告の受容性 テレビCMは長年かけて広告として許容されてきた。視聴者はCMを受け入れている。番組とCMのアテンションデータを見ても、CMは落ちるものの、総じて注視度合いに決定的な差はない。 一方、デジタル動画広告はどうだろうか。 習慣的にスキップする人をかなり多い。 ネイティブ広告が提唱されるということは裏を返せば、エイリアン広告である要素がまだまだ拭えないからだろう。 以前、スマホへの動画広告市場は、成長はするが、いったん踊り場が来てから2段ロケット噴射になるだろうと書いた。 それにはスマホにユーザーの受容性の高い枠や広告フォーマットの登場が条件となる。 そうなるとやはりコンテンツとの親和性や、コンテンツの番組化そのものへの新たな取り組みが必要だろう。当然、ネ...
2017.02.22 21:07行動データはネットのログデータからセンサーデータやスマホのロケーションデータに拡張する「意見を聞くマーケティングから行動を把握するマーケティング」と言ったのはかれこれ10年前。行動データはネットのログデータからセンサーデータやスマホのロケーションデータに拡張する。 かれこれ10年くらい前にベムは講演で「意見を聞くマーケティングから行動を把握するマーケティングへ」というフレーズで潮流を説明していた。 この時、昔のグループインタビューでの経験談を話して、「消費者に意見を聞いてはいけない」という話をした記憶がある。 そもそもグループインタビューという調査手法は「鵜呑み」に出来ない。モデレータの技術でもかなり左右される。ベムのカミさんはその昔、女性対象商品のグループインタビューのモデレータをやらせると結構な高いスキルをもっていたと(身内を褒める...
2017.02.13 23:31「枠から人へ」のトレンドと、「枠から番組へ」のトレンドデジタルインテリジェンスNY榮枝から米国状況をレポートしてもらった。この話の詳細は2/28のデジタルインテリジェンス主宰「デジタルマーケティング研究会」(広告主限定)で聞けます。http://eventregist.com/e/GP7x9IUn24xT「枠から人へ」のトレンドと、「枠から番組へ」のトレンド「オートメーテッド・ギャランティード」の名の下に、米国で昨年から火が付いたテレビ・メディアのプログラマティック化(プライベート・オンライン取引化)が進んだが、今年は「テレビ番組視聴」の新データ指標が登場する動きがある。今年1月に日本で発表があったビデオリサーチと米ニールセンとの資本業務提携は、この米国での議論の延長線にあると考えられ、広告主各社は意味合...
2017.02.11 03:40「枠から人へ」と言った私が言うのはなんですが・・、さらに新たな「枠」にシフトします。 「枠から人へ」というワードはずいぶんいろんなところで使っていただいたようだが、DSP/RTBを象徴する概念だったのは間違いなかった。ただ、プログラマティックの進化は一方で、掲載面の質を問うことを怠ってしまった。クッキーやIDをターゲティングする配信なので、ターゲットの出現率を高めるために掲載面は基本どんなものでも良いという感覚で掲載面網羅が進んだ。結果、とりあえず検索からビューを獲得できるならと他人のコンテンツをコピペするキュレーションメディアなどというものも誕生させた。質が悪くても1ページビューは1ページビューという「広告」の本質論からは受け入れがたい方向に行ってしまったと思う。さて、昨年問題になったいくつかの事象は、ネット広告における「掲載面」...
2017.01.06 16:53「働き方改革」をしたいなら 「マーケティングダッシュボード」活用に関する本を上梓することになった。この本を書いていて、会議体のあり方を考察することになった。 会議の資料をそれぞれの部署の現場の若手が徹夜でつくるようなことがよくあると思う。しかも会議では、資料のデータが指標としてオーソライズされていないので、データの信憑性についてうんぬんされ、指標をもとに経営判断を下す以前の話で終始する。 日本企業の生産性が低いのは、こうした会議のための会議が蔓延っていることにもよるのではないか。会議にかかる時間もそうだし、会議のゴールが設定されないことなども問題視されてきたが、上層部の会議への資料作成も、生産性を損ねている原因のひとつと言える。 残業を減らし「働き方改革」(労働時間を減ら...
2017.01.02 17:352017年広告マーケティング業界 7つの予測 その④~その⑦④トランスペアレンシーは広告主・エージェンシー相互関係の構築へ2016年に起きた事象は、デジタル広告(特に細かいオペレーションを伴うもの)が従来の枠取引とは違う文化にあることを改めて再確認した。ベムは、「紙のレポートを1週間に1回代理店の営業が持ってきて広告主に向き合って報告するモデル」から、「広告主とエージェンシーのトレーダーが横に並んで同じ画面を見て状況を共有し、その後も方針を確認していくモデル」と定義している。いずれにしても、「何でもお任せください」と言ってきた代理店側が爆裂してしまった訳で、広告主側も丸投げすることができないということを認識したことと思う。改めて広告主が勉強することが大事だし、広告を発注する側、請け負う側という立場だけなく、パー...
2017.01.02 17:242017年広告マーケティング業界 7つの予測 その①~その③今年でブログ「業界人間ベム」も10年目に入りました。年初の業界動向予測も2010年からそれらしいことを書いてきたので、これが8回目になります。 さて、2017年の広告マーケティング業界7つの予測である。2016年は広告業界にとって衝撃的なことがいくつかあった。いろんな意味で変革期として後に「2016年がきっかけで変革が加速したよね」と言われるようになるだろう。そうした変わり目の翌年は、総じてデジタルが専門分野から本丸に吸収される年と言ってもいいかもしれない。7つは以下のとおり①「出島」から本丸のデジタル化へ~POEダッシュボード採用で加速するデジタル化~②アナログ施策を最適化するDMP本格始動の年 ~DMP2.0の始動~③テレビCM枠のオンライン入札の...
2016.12.01 22:28DACの20周年に寄せる 今日12/2はDACの設立記念日です。ベムはDACの起案設立者として創業に最初から関わったので、20周年ということに感慨深いものを覚えます。 当時旭通信社会長の亡き稲垣正夫氏にインターネットがどう広告媒体になるかを説明した時に「横山さん、これはミニコミですね。」と言われたのをよく憶えています。 また、当初5%出資された徳間書店さんに決算報告に当初毎年行っていて、徳間康快さんと会えたのもいい思い出です。 設立してまもなく、最初のプロパー社員を迎えて、健康保険組合に入ろうと手続きすると組合から「インターネットが広告メディアであることを証明する資料をつくってくれ」と言われました。設立した96年は電通さんが「日本の広告費」で初めてインターネット広告をカウント...
2016.11.27 01:12良質な受け皿が不足する?既に、2017年広告マーケティング業界7つの予測のひとつを明かしてしまうエントリーになっております。(笑) 先日、ベムの会社でインターンをしていた学生の就職先がデジタルの運用型広告の会社に内定したので、思わず「ご両親はなんと言ってた?」と訊いてしまった。「やはり心配してます。」との答えに、今、「広告」とか「デジタル」とか言うとそういう印象を持たれてしまうんだと思うと同時に、本当に人材が集まらなくなる危惧を覚える。 POEに企業のマーケティングメディアを再整理しましょう」という発信を「トリプルメディアマーケティング」でしたのは2009年。とにかく広告マーケティング領域で「やること」が劇的に増えた。ペイドだけとっても、デジタル広告領域での作業量はプログラマ...
2016.09.25 22:33AD WEEKニューヨーク速報レポート その1 ~デジタルインテリジェンスNY榮枝から~AD WEEK ニューヨークが開催されます。デジタルインテリジェンスNY代表榮枝からのレポートを速報で掲載します。今年のOpening Galaは、何と、今年出来たばかりのワールドトレードセンター施設のOculusの「中」で行うと。これはすごいです。JTB的には、観光ネタの目玉ですね。写真ご覧ください。
2016.09.23 21:48電通のネット広告不正請求問題(特に海外報道)に関して 出遅れてしまったので、少し角度をかえて取り上げてみたいと思います。 この件、どういう訳か海外メディアから報道され、そもそも日本の広告マーケットの不透明性を槍玉に上げているようだ。海外メディアの論調は、電通だけが悪いのではなく「日本ってそういう国」、「こういう取引が当たり前の国」というイメージに持っていこうとしている。こうした中で、米国広告主協会(ANA)が、電通の「Proactive(プロアクティブ:自主的な発表)を歓迎・評価している報道もある。 「米国広告主協会のVP ビル・ダガン氏は、電通が今週、トヨタアカウントのデジタルメディアの取引において「不適切な」請求があった事について「プロアクティブ(自主的に)」報告した事は、好ましい行為だとした。h...