2013.05.29 22:03「広告代理店」対「システムインテグレーター」 「ゴジラ対キングギドラ」みたいなイメージにしたかったが、いまいち迫力が乏しいのは両方ともあまり勢いがないからかな。広告代理店は、メディアの枠を売ることで成り立っている。もともとはスペースブローカーで、新聞の枠を売るために、「広告文も書きますよ」から始まって、CMクリエイティブや調査、マーケティング、プロモーション、PRなど様々なサービスを提供するようになったが、結局は広告枠を売るために提供しているサービスだ。 一方システムインテグレーターの収入源はもちろん発注する企業ごとのシステム構築にある。巨額なコストがかかることでは、広告メディアと似ていて、ここで利益を上げるので、それに至るまでのコンサルなどのサービスは、そのものがゴールではない。 一部のシス...
2013.05.29 19:58ブランド力の可視化とデータサイエンティストを「口説く」こと 最近、重回帰分析によるマーケティング投資の最適化の仕事に関わることが多い。実際に何が売上にどのくらい貢献したかを見ると、短期的な広告投資は意外なほど効いていない。ベースラインという広告やプロモーションを打たなくても売上が上がるラインがたいへん大きいのが分かる。実はこれこそがそのブランドや企業の資産である。もちろんブランド力とかコミュニケーション資産、流通への配荷力、営業力いろんなものの総体である。 デービッド・アーカーが「ブランドエクイティ」という概念を提唱してから、ブランド力を定量化する試みはいろいろされてきたかとは思うが、本当にこれを可視化するのは難しい。 ベースラインというのは、解析不能という意味でもあり、データマイニングをするサイエンティスト...
2013.05.26 03:48Don't think Feel !ご存じ(じゃないか)ブルース・リーの「燃えよドラゴン」でのセリフだが、今、新たなデジタルなデータによるファインディングから、マスもリアルも含めたマーケティングコミュニケーション全体を改善することに関して、「何か大きな変革が出来そうだ!」とまさに感じるマーケターを応援したいと思う。 デジタルな施策によって得られる、かつ今までのマスでは得る事が出来なかったデータをポジティブに捉え、これらを積極的に活用しようとする姿勢だ。「何か今まで出来なかった事ができるかもしれないぞ!」とまずはビビッと感じることが大事であり、デジタルに感じることが出来るマーケターこそ、デジタルマーケティングの推進者である。デジタルマーケティングは、マスマーケティングで長年成功体験のある大...
2013.05.09 21:23Marketers, Agencies Locked in a Data Tug of War を読み解くちょっと前の記事になってしまったが、3/25付けのアドエイジ誌掲載の「Marketers, Agencies Locked in a Data Tug of War」を読み解いてみる。http://adage.com/article/agency-news/marketers-agencies-battle-owns-data/240518/・明らかに、エージェンシーとクライアントで、データの所有権の争い(協議)がある。 ・データは今や、マーケティング業界での、アツい「通貨」だ。・クライアントの為に購入したサードパーティのデータに至るまで、エージェンシーのテクノロジー(プラットフォーム)の中に蓄積されてては、クライアントは使い勝手が悪い。・データの所有...
2013.05.08 23:00オーディエンスデータは「マーケティングの通貨」たりえるか オーディエンスデータとは何か。基本的にネットユーザーである消費者ひとりひとりのWebの閲覧データをベースに、デモグラフィックデータ、ジオグラフィックデータなどの情報を紐付けておいて、それぞれがブランドにどう関わるかを分析できるようにしたデータ群と云える。 ブランド側(企業側)は、自社メディアへの訪問を果たしているファーストパーティクッキーをベースに見込み客としてのターゲットセグメントを組成したい。しかし自社メディアのコンテンツだけでは、情報量が足りない。自社サイトのコンテンツだけでオーディエンスを評価するほどのコンテンツではない。精緻な情報でしっかりしたターゲットセグメントを組成するには、同じクッキーが外部メディアでどんな閲覧行動をしているかというデ...
2013.05.07 21:223MS(Making Measurement Make Sense) 「メイキング・メジャメント・メイク・センス」 クールな名称だ。3MSは、IAB(インタラクティブ広告協議会)、ANA(全米広告主協会)。4A(アメリカ広告業協会)などが参画し、運営委員を含めた50名の各界からの役員と、150名を超える参加者で指標づくりを目指すプロジェクトだ。 3MSはデジタルだけでなく、テレビなど全てのメディアの共通指標(クロスプラットフォーム)をつくろうとしている。 彼らが目的として掲げているのは、 ・デジタルにおける正しい広告取引の通貨と測定基準をつくる。 ・デジタル広告におけるソリューションの統一見解をつくる。 ・現在進行している測定基準主体を明確にする。の3点である。 これらをどのように成立させていくかということでは、 ・...
2013.05.06 23:45運用型広告とはそもそも「何を運用するのか。」 入札運用型広告はインハウスで運用した方がいいと以前のエントリーで書いた。ブランド統合的にインハウスないしハウスエージェンシーでの運用がお奨めだ。リスティング広告をインハウス運用して、またアウトソースに戻してしまうケースもあるが、それは導入方法が悪かったからだ。ディレクションできるスキルを獲得できないで、作業に埋没してしまうと何も得る事のないまま、また完全アウトソースに戻すことになる。それでは意味がない。 そもそも「運用」とは何を「運用」するのかというと、事業部から預かった広告投資用の金を、求められる広告パフォーマンスに変換して返すという「運用」である。期待値を上回るパフォーマンスにして返して初めて「成果を出した」ことになる。 この際、売り手の論理で出...