2009.11.20 16:18「ネット広告 15年史」 第二回 94年ホットワイアードで、世界で初めてのインターネット広告(バナー広告)が登場してから、まだ丸2年も経たない96年春に、検索サイトIを日本に導入し、広告をとって事業を開始しようと動き出していたから、初動は確かに早かった。 周りがインターネットの価値を理解してくれるわけもなく、理解しなくても会社が金を出す理由をつくらなければならなかった。さて、検索エンジンIは、ロボット検索だということ以外にも、画期的な技術を標榜していた。ひとつはアドサーバー。第三者のメディアにも広告を配信できるから、自社サイト内だけでなくアドネットワークができるという。 競合するサイトに配信すると言っても話にならないから、ポジションを変えれば事業化できるとすぐ頭に浮かんだ。その後レッ...
2009.11.19 16:05企業のCMO、CCO クリス・アンダーソンの本「フリー」を監修者であるインフォバーンの小林代表から直接いただいた。実に光栄な話。週末読みます。小林社長有難うございます。http://www.freemium.jp/ちなみに、日本放送出版協会が、発売前にオンラインで先着1万名に無料公開。ツイッターのダイレクトメッセージまたは電子メールに閲覧用アドレスを送付してもらえるとのこと。 お話をしていて、興味深いワードとしてCMO(チーフ・メディア・オフィサー)とCCO(チーフ・コミュニティ・オフィサー)という執行責任者概念を教えていただいた。 企業が、自社メディアを保有していく発想は、「3つのメディア」のエントリーでも書いた。企業がメディアマーケティング事業を展開するには、これまた...
2009.11.19 01:28「ネット広告15年史」 第一回 日本のインターネット広告業界にそのスタートの年から参画していた者として、その記憶を少し記述しておいた方がいいかもと思い立った。「本にしたら?」といってくれる出版社の人もいたが、私自身の歴史でもあるので、それほど面白いものになるか分からないし、誰かの為になるものでもない。まずはブログに書いてみてから考えることにしよう。 さて、記憶をたどって95年からのネット広告史と私自身のインタラクティブ広告史を書いてみる。話にでてくる人は当然実際の人物だが、実名を上げるわけにも行かないので、伏せて書くことにする。 そもそも私にインターネットなるものを教えてくれたのは、I・J氏である。93年ごろにたしか富ヶ谷の彼のマンションで、サンマイクロシステム社のワークステーシ...
2009.11.14 16:43広告業の将来 その3このエントリーにはかなりの反響があった。私が言いたいことは、広告業の真ん中にいる人たちには、まだ本当の危機感が足りないということである。経営環境は急速に変わっている。これだけ変化が顕在化した状況でなお、まだ反応できないとしたら、問題は深刻だ。対応可能な時間はそんなにない。体力があるからゆっくりで良いというものでもない。体力があるということは逆に図体がでかくてなかなか変われないということでもある。そもそも一般論として広告業の一人当たりの営業利益は他業種より低い。にもかかわらず、相対的な賃金は高い。それは事業を維持するための外的リスクが比較的少なかったからだろう。他の業界は、成長のために(生き残りのために)開発や投資コストがかかる。競争優位を維持獲得するた...
2009.11.10 20:05広告業の将来 その2 前回エントリーに「いったん賃金を下げてもしっかり働いてくれる社員をどれだけもっているか」と書いたが、少し説明を加える。「いったん賃金を下げてもしっかり働いてもらう」ためには、「近い将来、下がった分は取り戻しましょう。」と社員と約束する必要がある。経営が社員にコミットする。そのためにも社員にもコミットしてもらう。双方にとっていいチャンスである。会社のコミットは、経営のスリム化、若返り、リストラで損益分岐点を確実に下げること。そして社員の利益貢献度を実態どおりに数値化して評価する仕組みを社員に提供することだ。 社員のコミットは、売上利益をしっかり上げること。新たな収益モデルに挑むこと。その上で、会社が利益が出た場合の社員への再配分モデルを明確に提示するこ...
2009.11.09 21:17広告業の将来 広告代理業の価値が低減していくだろうと、先だってのエントリーにも書いた。「広告枠に取り合いになるほど需要があって、そこを抑えているので高く売れるし、マージンも確保できる。」というメディアレップ型ビジネスモデルは、まだまだやっていけるとは思うが、総販売力に比例して枠を押さえる能力が担保されるので、総販売力を維持するオペレーションコストがかかる。当然価格競争に晒される商品も多くなり、高い利益率はそうそう望めない。有力な広告枠だけ扱えるという状況はあり得ないから、広告需要そのものが減退したり、広告枠が限定されなくなるととたんに利益率の悪い商売になる。メディア扱いをさせてくれるのは、ディスカウントするか、キャンペーンプランニング、クリエイティブなどのトータル...
2009.11.08 21:08キャリア採用 ADKインタラクティブADKインタラクティブの社長の秘書さんから、人材募集をしているのでブログで取り上げてくださいと言われました。日頃お世話になっているのでご協力させていただきます。求人している模様です。http://www.adk-i.jp/employment.html
2009.11.04 18:14TVとインターネット その接触時間と視聴率 テレビには圧倒的な到達力がある。情報をプッシュする力は他のどんなメディアも足元にも及ばない。それを支えているのは、メディアの中でもダントツの接触時間(視聴時間)である。 しかしこの時間のうち広告は15%強であるので(もちろん放送法で規制されている)、広告への接触時間でいうと別のデータが必要である。一方私の感覚では、閲覧しているWebページのほとんどに広告が掲載されている。広告接触チャンスとしてのインターネットはかなりいい線行っているかもしれない。 誰か、Webの閲覧時間のうち、広告掲載面あるURLを見ている時間のシェアはどの程度か調べてくれないだろうか。 もちろん、広告フォーマットが違うテレビ広告とインターネット広告を単純比較するのはナンセンスだ。...