2010.01.30 22:26新しいビジネスモデルを考える。 その1 広告会社のメディア開発 そもそも広告屋はその時々で売れるものを売るということをやってきたせいか、リスクを背負って、腰を落ち着け、粘り強く、ひとつのメディアを作り上げるという仕事が苦手なのかもしれない。ただ、広告主に直接インターフェイスするのだから、どんなソリューションが売れるかは良く認識しているはずである。その理解をもとにメディア(ソリューション)開発するということは出来るのではないかと思う。リクルートのように、市場があって広告が集まるテーマをメディアマーケティングするという考え方は出来るはずではないかと、期待したい。が、もちろんこうしたビジネスを考えている人たちはたくさんいて、しかも広告会社よりはるかに真剣に自分の本業として取り組んでいる訳だ。そうなると、文化とかスキルと...
2010.01.29 01:27アメリカのソーシャルメディアツール分類 Social Media Landscape ソーシャルメディアに関する文献のようなものを探そうとすると、ほとんどがアルファブロガーが書いているデータに行き当たる。 欧米のブログは、有名人やその道のエキスパートが書くものをみんなが閲覧するという傾向が強い。一方日本のブログはブロガーとブロガーが体験や意見を共有したり、論戦してみたりと影響し合うなかで閲覧者も増える構造にある。この話は別途するとして、米国のソーシャルメディアを機能分類している資料があった。http://www.smartmobs.com/2010/01/13/a-look-at-the-sheer-volume-of-social-media/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&am...
2010.01.28 01:05携帯向けマルチメディア放送2011年7月にアナログTV波が停波したあとの帯域は、「携帯端末向けマルチメディア放送」に宛がわれる予定になっている。 現在VHF帯の周波数は地上TV放送で、90MHz~108MHzが1~3chに、170MHz~222MHzが4~12chになっているが、これをVHFローバンド(地方ブロック向け放送)とVHFハイバンド(全国向け放送)に区分して宛がわれる予定だ。 VHFローバンドは、FM局など積極的に事業展開を模索している。ここではハード会社とソフト会社が分離して事業するようになるかもしれない。 一方、VHFハイバンドは、NTTドコモとフジテレビなどの「マルチメディア放送企画LLC」、「モバイルメディア企画」(ソフトバンク)のISDB-Tmm方式の2社と...
2010.01.27 03:52「検索の限界」とリコメンドエンジンの価値 サーチエンジンによってユーザーと情報のマッチングが進んだのは周知のとおり。しかしそれでもスタンバイされている情報と消費されている情報の差は拡大するばかりだ。もちろん消費できる情報の限度もあるのだが、ネットユーザーとしては、常に能動的な情報取得行動をしなくても自分の欲しい情報に出会えるチャンスが増えるのはいいことだ。 いわゆる「検索の限界」を解決してくれそうなのが、リコメンドエンジンだ。ほとんどのネットユーザーが楽天やアマゾンでリコメンドを受けているはずだ。しかし、今ひとつ「なるほど」と思えるような推奨があった覚えがない。スターウォーズのエピソード1を買うと、エピソード2から6までリコメンドしてくるのはもちろん間違ってはいないが、それだけでは人間技の範...
2010.01.27 00:51レッドへリング グローバル 100 アウォード 米国レッドへリング誌が選ぶ世界の100社、未上場企業のなかから優れた技術と可能性を有する会社を100社選ぶものだ。日本からはEモバイルなど7社が選ばれている。USAが最も多い34社、中国は日本を上回る9社、インドは10社も入っている。 http://www.redherring.com/Home/26281日本の素晴らしい技術も、日本市場だけが対象では期待値は大きくならないし、国際競争力を欠く。日本人のメンタリティで出来た技術は、繊細で「もてなし」のホスピタリティを文化背景としてもっているものも多い。そうした技術の国際競争力は高いはずだ。あまりに進んでソフィストケートされた技術がただ「ガラパゴス」になるのではなく、世界に出て行くマーケティング力を身...
2010.01.26 16:24Dew Does The Crowd ワイアードの記事「Dew Does The Crowd」に注目した。Dewとはペプシの炭酸飲料マウンテンデューのことで、このブランドがたいへん大掛かりなソーシャルメディア実験とも言える施策にチャレンジした。 消費者に炭酸飲料の新商品を3つ選んでもらうらしいのだが、味の選択、ネーミング、パッケージデザイン、はたまた広告コミュニケーションを担当する広告代理店まで決めるというのだ。2009年7月に始まったこのキャンペーンでは、様々なソーシャルメディアプラットホームを駆使し、特定の新商品を支持する「Flavor Nation」を形成させた。この辺が上手だ。単なる参加性だけでなく、消費者巻き込んで強くコミットさせる訳だ。現在、「Distortion」、「Whi...
2010.01.24 21:33ソーシャルメディアポリシー どこの企業もWebサイトにはプライバシーポリシーを掲げるようになった。個人情報保護の観点からも企業の社会的責任として必要欠くべからざるものとなったからだ。 さて、米国では企業の75%が消費者向けSNSを使っているそうだ。日本でも企業がソーシャルメディアを利用する機会は増えているだろう。そうなると、ソーシャルメディアで従業員の個人の発言によって、企業に風評被害が及ぶといったことも十分考えられる。また企業も企業内にあるコンテンツを現場・現場から消費者に発信することでCRMなどのマーケティング活動となる可能性も大きい。そこで、トラブルを未然に防ぐことを主な目的として、従業員がソーシャルメディアを利用する際の、基本姿勢や留意事項などをドキュメント化し、周知徹...
2010.01.23 20:28広告コミュニケーションの知見はどう生きていくか。 従来の広告業の本丸部分がどんどんシュリンクしてなか、もともと広告マンには知見のない周辺領域に踏み出していかなければならないと、このブログでも何回か書いている。 しかし、そうした領域には本来のスペシャリストたちがいる。踏み出していっても広告マンは太刀打ちできないのではと思える。しかし私ベムは、広告マンがやるから生きてくる領域があると考えている。例えば、Web解析の分野。Webサイトには顧客ないし見込み客が実際に行動を起こしたデータが残る。そこからカスタマーインサイトを読み出すことが可能になってきた。しかしデータの海の中からインサイトを発見するのは、簡単な話ではない。一定の仮説を立てて、必要のないデータを捨てることから始め、仮説シナリオを検証していくこと...
2010.01.19 23:34ソーシャル・テクノグラフィックス 「グランズウェル」のジョシュ・バーノフ氏が、2年半前に定義した「ソーシャル・テクノグラフィクス」という概念が、内容を更新されている。(フォレスター・リサーチから) 「ソーシャルメディアに関わり方別のネットユーザー分類」というところだが、◆クリエーター(創造者)24%自身のブログやWebページを編集し、自ら創った動画や音楽をアップロードするようなネットユーザー◆カンバセーショナリスト(会話者)33%SNSやツイッターでステイタスを更新するネットユーザー◆クリティクス(批判者)37%商品やサービスのレビューを書いたり、他の人のブログにコメントを書いたり、Wikiに手を入れるようなネットユーザー◆コレクター(収集者)20%RSSフィーダーを使い、Webペー...
2010.01.18 02:50「大きいことはリスクかチャンスか」 ~デパート型総合広告会社のゆくえ~ 広告業のスケールメリットは、基本的にメディアのバイイングパワーにある。大量に仕入れることができることによって仕入先への大きな影響力を持ち、場合によっては原価率を下げられる。有限で価値の高い広告枠を仕入れる力がそのまま顧客であるクライアントへの影響力を生み、多くの顧客を獲得でき、インクライアントシェアも高められた。また広告マーケティング領域の様々なサービスをワンストップで供給できることには大きな価値がある。総合力ということの意味は非常に大きかった。 しかし、今いわゆる総合広告会社はクライアントの求めるサービスをワンストップで供給出来てはいない。クライアントが求めるスキルに対して、(特に営業のフロントラインに)知見がない領域が多すぎる。もちろんデジタルが...
2010.01.12 16:43予測解説 その5 企業のWebサイトのパフォーマンスを上げるために、ダイナミックにサイトのページを最適化するサイト内行動ターゲティングなどの施策が普及する元年になる。 オムニチュアのテスト&ターゲットのようなページ最適化が実践され始めるだろう。日本でも数多くの企業がサイトカタリストなどの高い機能をもったアクセス解析ツールを導入している。しかしこれを使い切れている企業は少ない。導入しているはずなのに、ろくにタグが貼られていない場合も多い。 原因の多くは、データをとっても改善に繋がるプログラムがないということだろう。実際に広告のパフォーマンスを上げてコスト効率が良くなれば、もっと活用しようということになる。リターゲティングの一定の評価が進むと、さらにどのページまで来てど...