2008.02.28 23:11次世代広告マン養成ギブス その4 「メディア別ターゲットCPM計算」 広告効果を接触量だけで測る時代ではない。接触ベースではなく、インパクトベースで測定しようというムーブメントが「エンゲージメント」という概念をつくった。 そういう環境で、広告フォーマットの違うメディア間をCPMで比較すること自体、非常にナンセンスではあるが、いちおう到達コストがどの程度かを、ターゲットCPMも換算してみた。例えば、M1(男性20~34歳)のターゲットCPMで比較してみよう。 新聞 18,261円 雑誌 3,113円 テレビ 4,771円 ラジオ 1,251円それぞれ個人全体のCPMで 新聞 1,924円 雑誌 1,122円 テレビ 472円 ラジオ 180円だから、特定層をつかまえるコストは、単純到達コストよりか...
2008.02.28 19:39到達の概念「OTSとインプレッション」 欧米では、テレビCMなどの広告接触の概念をOTS(Opportunity to See)という。直訳すれば「見る機会」ということ。つまり「見る機会は与えているけど、実際見ている、認識しているかは分からないよ。」ととれなくもない。 インターネットの通常のバナー広告には、広告接触単位をインプレッションと呼んでいるが、従来IAB(インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー)でのバナー広告の接触概念は基本的にOTSとしてきた。 しかし、フラッシュを使ったリッチメディアは、インタラクションを仕掛けて、広告表現に対するユーザーアクションを喚起するようになっている。しかもそうしたユーザーのインタラクションをカウントするようになった。またインターネットCMもユー...
2008.02.27 19:43アベニュー・A・レイザーフィッシュの2008年ネット広告業界予測 アベニュー・A・レイザーフィッシュ社が、「2008 digital outlook report」を公開している。この中に2008年米オンライン広告業界の注目ポイントということで10項目が列挙されている。 以外にも日本と同じテーマが多いと感じた。気になるのがアメリカでもネット広告CPMがあまり上がらない状況が予測されていることだ。 またアドネットワークがより強力になっている状況があり、ここが日本と違うところだ。MarkeZine さんの訳をお借りして記載すると下記のようになっている。2008年米オンライン広告業界の注目ポイント1. メディアバイイングをしていればいい時代は終わった広告枠を押さえることの重要性は変わらないけれど、マーケッターはSNS・動...
2008.02.26 22:10メディアとしての企業サイト 今年からカウントされるようになったインターネット広告での制作費。これには企業サイトのうち広告目的のブランドサイト、キャンペーンサイトの構築費が算出されていて、1412億円とされた。これは欧米でも同じだが、大企業のWebサイトは中途半端な媒体よりはるかにパワーがあり、固有の集客力と固定客を持っている。これはサイトがマーケティングツール化してればするほど固定ユーザーを囲い込んでいるケースが多い。 アメリカでは行動ターゲティングのリベニューサイエンス社が、企業サイト訪問ユーザーのブラウザデータベースを、他の企業と交換する仲立ちをすることもしていた。日本ではなかなかこういった思い切った施策はとりにくいだろうが、企業サイトの自社メディア化が確立していくと、従来...
2008.02.25 23:00「広告の本質」の議論 CNET広告業の新潮流 「googleの危うさと広告の本質」からhttp://japan.cnet.com/column/netad/story/0,3800075540,20368039,00.htm まず「広告がうっとうしい」という議論は大昔からあって、広告屋はそういう批判と闘って来た。広告表現は情報ユーザーへの受容性とメッセージ訴求の両立を目指して進化してきた。ネット広告がより「うっとしい」と感じるとしても、表現力がまだ過渡期であるということも云える。 グーグル的広告の成長は、ネットユーザーに検索情報としてのテキスト型広告をマッチングさせたことと、ある意味「効果を買う広告」の量り売りの仕組みが、ネットマーケティングの成長とリンクしたからであって...
2008.02.24 22:02デジタル・サイネージの成長期待 交通広告やOOH(アウトオブホーム)メディアへの関心が集まっている。ひとつは、リーセンシー効果への認識が高まったこと、そしてデジタル化し始めて、単なる看板から動画などへ訴求力アップと時間帯別などの効率訴求対応が進んでいることがある。 その中でも、デジタルサイネージと呼ばれる高精彩のモニターによる情報提供装置が注目されている。技術は進んでおり、インタラクティブな装置になって、接触者の自己関与をたいへん高くすることも期待されている。 デジタルサイネージには、日立やパナソニックなどのモニターメーカー系がどんどん参入していて、市場を開拓している。ところが、広告会社系は、もちろん装置産業で多額の資本も必要なためほとんど自ら手を出していないばかりでなく、成長しつ...
2008.02.23 23:08ネットをコアにしたクリエイティブ開発のために Webを中核にしたキャンペーン構造を提案し、作業していくと、現状でよくぶち当たる現象がある。WebサイトにキャンペーンページやWebコンテンツをつくろうとするときに、コピーを書ける人が少ないのだ。グラフィックの世界だったら、プロダクションには端からコピーライターがいて、打ち合わせに加わってくるが、Webの世界だと、「デザインはしますので、ではコピーをください。」ということが間々ある。 つまりコンテンツ開発のアプローチ方法をまだまだこれから作らないといけない。そのためにはコンテンツプロデューサーとなる人材の育成だ。育成といってもゼロからできる仕事ではないので、期待しているのは雑誌に携わっていた編集者、ライターの方々に是非Webコンテンツ制作の中核人材と...
2008.02.22 21:47昔のテレビを語る その8 「ラットパトロール」 アメリカのテレビドラマで戦争ものでは、「コンバット」を筆頭に、いくつか上陸している。第二次大戦でもヨーロッパ戦線がほとんどだ。「コンバット」以外にも、「ギャラントメン」とか「ギャリソンズゴリラ」とかで、「ギャラントメン」はたしかイタリア戦線が舞台。そんななかで異色だったのが、北アフリカ戦線が舞台の「ラットパトロール」。砂漠を疾走するウィリスMBジープが格好良かった。 ところで、この時代の海外ドラマを取り上げる「テレビジョンエイジ」という雑誌があって、古本市場でもそこそこの値が付いている。 テレビジョンエイジでは、ラットパトロールのドイツ軍将校ディートリッヒ大尉が人気があって、投票の上位にあったように思う。
2008.02.22 18:21ロック名盤20枚を選ぶ たしか一昨年の新年に読売新聞が企画したと思うが、ロック50年史を記念して名盤を選んで発表されていた。ちょっと角度は違うが、ロックアーティスト別ベストアルバムを好みで選抜して議論し合うことを大昔バンド仲間とやったことを思いだした。 読売新聞で特集された「名盤50枚」は年代別になっていたが、さすがに1950年代と60年代前半は記憶にないし、90年代以降は申し訳ないが聴いていないので、割愛させていただいて、発展期と爛熟期として選抜された20枚は下記のとおり。 発展期 ◆ビートルズ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(67) ◆クリーム「カラフル・クリーム」(67) ◆ジミ・ヘンドリックス「エレクトリック・レディ...
2008.02.20 20:58広告のバリューチェーン再構築 IBMレポート「The End of Advertising as we know it」を解説する最終回。広告会社が広告ビジネスのバリューチェーンの再構築のために、特に関心をもつべき3つのキーエリアとして、「消費者」、「ビジネスモデル」、「ビジネスデザイン」をあげている。まず消費者に常に興味を持ってもらい、カスタマーでいてもらうためには、クリエイティブをより良いものにしていくだけでなく、新たな広告手法を開発していく必要をあげている。 次に、ビジネスモデルの変革。つまり広告の売り買いや構造、パートナーシップの形、収入モデル、広告フォーマット、調査手法などが変革の対象となる。 インパクトベースの料金体系がでてきたり、ユーザージェネレイテッド広告に収入シ...
2008.02.20 19:15「日本の広告費」に見る媒体別制作費 20日発表の電通「日本の広告費」は算定方法を大幅に改定し、算出された市場は改訂前を1兆円以上大きな数字になった。 注目すべきは、インターネット広告の制作費を算定したことで、これでマス4媒体の制作費と比較することもできるようになった。 マス4媒体の広告制作費合計は、3,434億円。うち、テレビCM制作費は2,026億円となった。つまりテレビ広告費1兆9,981億円は、媒体費1兆7,955億円と制作費2,026億円ということになる。 一方インターネット広告は、媒体費4,591億円、制作費1,412億円の合計6,003億円となるわけだ。 この内訳をもっと知りたいところだ。レポートでは、「バナー広告などの制作費及び企業のホームページのうち商品・サービス、キャ...